みんなで農業

　農業に携わって　平均50年以上の女性たちから湧き出る溢れる想いは　このまま　何処へも共有されないまま消滅させてはいけないでしょう。悶々とするこの何処へ向けたら解決するのか　分からないこの問題は　かなり大事な　ほんとに大事な問題なのだ。
　人間の身体は、その人が食べた物から出来ている。それは、当たり前の事だけども　実感されにくい事。どうしたら実感できて　人々の行動を変えることが出来るでしょうか。
　病気になれば　薬を飲用して　体調を戻す。身体に薬を取り入れた事で　治していくのだから　その時ばかりは　口に入れた物を信じるのです。であれば　普段から　悪い物は取り入れない生活をする事が健康につながる　という事に　気がつかないのだろうか。そもそも　何が悪いのかも　理解されていない点と、ありとあらゆる所で　姿を変えて　存在しているのだから　それらを避けて生きていくのは　俄然無理がある。私とて　悪いと言われる品も口にしているのだから。

　でも　身体に安心な食材を知っていて　それらを手に入れる方法も知っている。そして味良く調理する方法と技術も持っている。もしかしたら、この味良く調理する方法と技術を身につけなければ、病気になり易くなるのではなかろうか。

　これは決して、外食が全て身体に悪いと言っている訳でなく、食に関心を持って　自分が食べている物が何なのか、知ることが　健康を保つ事の始まりになるのではないかと言いたいのだが。
　そんな簡単な当たり前の事、分かっていると言われるけれども　多くの人が分かっていて　実践している社会ならば、農業は衰退しないはずだ。

　この農業が衰退している現実が　人々の危機になりゆくのに　みんな知らんぷりなのだ。そこが農業50年のベテラン女子の面々の悶々としている問題に他ならない。

　私たちは、ずっと前から警鐘を鳴らしている。

　長年の努力で培った技術と気概で、安心安全な作物を栽培し続けてきたが、相変わらず安値でしか売買されず　報われない産業であり続けるのであれば
全ての人々の未来は　明るくならないだろう。
　農業は、何度も言ってきたが　太陽に触れ土に触れ、水と風　自然の中で働いて　その事こそが人間らしく生きる原点となり　心も育てる産業なのに、
そして　その産業に携わりたいと取り組もうとする若人も出ているのだが、経営を成功に導くのは難しい。
　これを変えることができるのは　一般消費者の考え方だ。日本から農業者を無くさない為に、日本の農地で栽培された作物を　みんなで買って　みんなで消費しよう。

そして出来るならば、自ら栽培に参加して　尊い作物と向き合って　味良く調理して　食べようではないか。