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カワイイを探して読書をリベンジ

途中まで頑張って読んだものの、なかなかページが進まずに、読むのを諦めた本ってありませんか?
私の本棚には、そんなギブアップ本がたくさんあります。歴史小説にSFもの、ビジネス書など。

そんな本たちをもう一度取り出してみようかな?と思うに至った話をしたい。

きっかけは、こちらの本、
「リーダーの悩みはすべて東洋思想で解決できる」。

https://www.wave-publishers.co.jp/books/9784866214498/

「人を動かす」ことの極意が東洋思想をもとに語られていた。私はマネージャーではないけれど、仕事上「研究員にお願いして実験してもらう」場面がよくあるから、ためにもなった。ビジネス本なのに、スイスイ読めて難なく完読。

キラリと光るエピソード

著者の部下だったタイ人マネージャーは、愛犬の危篤に際し、仕事に身が入らなくなっていた。が、上司にそのことを明かすことができず悶々としていた(はず)。

そうとは知らない上司はある日、仕事のパフォーマンスが下がっている彼を呼び止め、問い詰めた。そして、愛犬の容態が悪いこと、そのせいで仕事に手がつかない状況であることを知った。

上司は、自身の頭を支配している「プライベートと仕事を混同してはならない」という価値観と、ペットを飼ったことのない上司の頭にはなかった「ペットは家族」という価値観とを天秤にかけたとき、後者に寄り添い受容する姿勢を見せた。

すると彼本来の“らしさ‘’が戻り、仕事のパフォーマンスも上がっていった、、、というエピソード。

「人はそれぞれ異なる価値観を持っているものだから、相手に寄り添い、受け容れることが大切」を伝えるエピソードだった。

私は、うんうん、そういうこと会社で良くある!と共感しつつ、ペットの危篤で憔悴していたタイ人マネージャーに強く感情移入していた。私にも、飼い鳥が病気で全く仕事に手がつかなくなる苦しい体験があったから。

「カワイイ」の活用はサイエンスライティングのテクニック

飼い犬が登場するタイ人マネージャーのエピソードは、儒教の教えなど教訓めいた言葉が並ぶ本書の中で、キラリと光る大切な導入エピソードになっていた。

そこで思い出したのが、‘’サイエンスライティングのテクニック”だ。

科学の堅い話が単調な文章だけで書かれていても、一般の人にはなかなか読んでもらえない。だから、動物などカワイイものを利用するのだ。

科学に興味を持たない一般層にこそ記事を届けるための仕掛け。

科学本でなくとも難しい本を「カワイイ」から読み始めたら、案外楽に読めてしまったという経験がある人も多いのではないか?

仕掛け探しをしながら本を読んでみる

飼い犬エピソードが序盤で登場したのも、同様の意図があったのだったのだろうか。つまり、私のように、ビジネス本に苦手意識を持つ層にも、ページの最後まで読み切ってもらい、伝えたいことを伝えるためのテクニックだったのだとしたら…。

「作者が作った仕掛けを探す」目で本を読んでみたら、案外スラスラ読めるようになるかもしれない。

そんなわけで、途中まで読んでギブアップした本たちを並べて、カワイイ仕掛けがありそうなものからリベンジしてみようと思う。

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