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小説

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サクッと読めるSS・短編闇鍋 別名義でステキマガジンにもあげてあります
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#小学生日常

【ショートショート】拗れ

「ねえ、私の好きなタイプ知りたい?」

 校庭の南に立つ大きなクヌギの木陰。明莉は声を落として、さも重大そうに言った。ざわざわと若葉が風にさざめいている。さくらと由良は、返事をする前に校舎中央の時計を確かめた。
 昼休みもそろそろ終わりの時間だ。由良が気まずそうに明莉を振り返る。

「私、もう行かなきゃ。次、理科室なんだ。ごめんね」
「そっか〜。じゃあね由良ちゃん」

 屈託なく答えるさくら。隣で

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