[詩]「白線を引いて」
薄く
線を引いた
他人と
私の境界線
誰も
ここまでは
薄く
膜を張った
他人と
私の境界線
白線の
その先で笑う
伝えたいことは
あんまりなくて
他人への
関心が薄れていく
長きに渡り
完成した
精神の鉛
これからの
日々で
壊れることは
ないだろう
心残りが
あるとするなら
線を引けるほど
強くなってしまったこと
弱くなってしまったこと
白線の向こうで
人間達が
笑っている
ああ
彼らには
見えない世界がある
他人以外を
見てごらん
花は咲き
小鳥は謳う
感じてごらん
風は吹き
それが少々
心地好い
息を吐き
あったかい布団に
くるまって
そんな
些細な幸福に
ただ浸る
線を引いて
ひっそり生きて
誰にも
迷惑かけないよ
誰にも
傷つけられないよ
他人と
私の境界線
つかれてないかい
一人だって悪くない
白線の向こう側
アウトローな
フローター
ただ
そうやって
笑っていて