[詩]「縮図と才能」
世界は
社会は
思ったより広い
そして
思ったより狭い
私は
まだ何も知らない
自分のことも
貴方のことも
無い物ねだりの
私達
道徳的な社会と
理性
そうじゃない世界と
本能
何処にいたって
井の中の蛙
大海を知らない
私達は
いつか自由を
夢に見る
もしもの才能を
空想する
きっと
どちらも持っていない
けれど
大きな夢はある
生涯を
詠い続けて
骨を埋めたい
ただそれだけで
だから
私は息をする
息をするように
文字を紡ぐ
たいしたテーマも
決めないままで
私の生きる世界
きっとここも
社会の縮図
どんな場所に
生きていたって
足りない才能
求める理想
頭も首も痛くなる
果てはない
終わりだけが
いつか来る
私だってそうだ
誰だって
誰かを羨んでいる
その立場を
その才能を
愛おしい視線の元
浅瀬で遊ぶ私は
いずれ深海に
沈んでいく
縛られていく
だってそうでしょ
私達に自由はない
だから
これからも
夢を見る
描き続ける
未来に
希望を抱いて
生きていたいから