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[詩]「人心を解さぬ」

雨が降る


風が荒れる


青にまみれて


私は天に

嫌われた


理由はきっと


私の態度に

あるだろう


分かっている


つもりになった


そのうち


人心を解さぬ


怪物になった


何を聞いても


何を食べても


驚くほどに

何も響かなくて


己も


相手も


憐れに見えた


きっと


あの日のこと


許されることは

ないだろう


真剣にやった


つもりだったのだ


人心を解さぬ


怪物として


けれど


掴むことは

なかった


けれど


泣くことは

なかった


それに


泣けなかった


泣きたいのは

彼らであろうから


この身体を

打ち付ける


あの痛みに

慣れたから


感じぬ内に

雨が止む


冷えた身体も

気にならぬのに


分かっている


つもりになって


互いを理解

出来なくて


いずれ私は

何処へいく


きっといつか


誰かのことを

愛したくなって


貴方のような

君のことを


理解するために


自分のことを

認めたくなって


否定するために


少しずつ

歩いていく


そうなのだろう


だから

往くのだ


私も知らぬ

何処かへ


人心を解さぬ


怪物の暮れ


ただ一人の

夕焼けこやけ


ああ


ここには

誰もいないから


赤い空が

綺麗に見えた



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