やんばる(ガンバッタ!)キャンプ
【比地大滝キャンプ場(沖縄県国頭村)】
最高のキャンプ場で何度も訪れているのですが,思い出深い経験を一つお話します.
あれはいつだっけ…
日頃から「凍える寒さの中,焚火を楽しみながら満天の星空を愉しむ」を夢想しているのですが,
雪も無い沖縄で凍える(…様な)寒さを感じる機会は少ないんです.
県外の方からすると無いと言ってもいいのかも知れませんが.
そんな中,そう2021年1月です.
沖縄で一番寒い頃を狙ってヤンバルキャンプを計画! コロナ蔓延で三密から逃げるように本島を北上です.
訪れたのは,比地大滝キャンプ場(沖縄県国頭村)です!
すこし状況の説明ですが,そこはキャンプ場の一番奥に有るサイトで,川に近くテント・タープを設置するのに邪魔な木も無く開けている所.その川の向こうには急峻な緑深い山となっていて自然にどっぷり浸かれるお気に入りサイトなんです,そこは.
やんばるの夜空を観る絶好の場所で,おまけに川のせせらぎで眠り、目覚めることの出来る《絶好のスポット》デス.
何度もBBQして楽しい夜を過ごし,満天の星空を堪能.そして朝は水の流れる音で目覚めています.
沖縄の冬はやはり風が強くなることがしばしば(笑).
その日も「テントを立てたらこっちのもの」なんて余裕の体でした.
期待通り10℃を切る寒さになっていました.しかし計算外の事が発生.
私達のキャンプサイトだけが,局所的に台風並みの暴風状態になっていたのです!
先のような地形でそこだけが盆地のようになり激しく風が集中し叩きつける状態.妻と小学生の家族3人で必死の思いでテントを設置.計算して綺麗な形にペグを打つなんて出来ず,かよわい妻と息子にテントを抑えてもらいながらとりあえず一番太いペグで形も考えることせずテント固定.今思えばタープなんて無謀でしたね.いつもは小一時間で出来るものが,暗くなりそうになってもうまく完成出来ない状態.テントの入り口に風除けとして被せるようにするので精一杯でした.
最後は体温が下がってきて作業を中断.もちろん食事の準備など全く出来ませんでした.
20m離れた目と鼻の先のサイトではテントの横で家族団らんで普通に料理していて,この状況がとても恨めしく感じました.😂
キャンプなので料理はしたかったのですが,気象状況と体力が許さず,少し離れたところにコンビニが有り,そこで食事を調達してなんともトホホな状態に.
その夜は激しい暴風がテントを叩きつける風音の中,ボロボロになった家族3人が小さく一緒にシュラフに包まって大変な一日を振り返り,料理も出来なかった父親を慰めるように夜通しお喋りしてくれたのです.
テントで過ごし,吹き飛ばされるんじゃないかと少し不安になっていましたが,家族3人の体重を重しに(´・ᴗ・`;)…朝までなんとか持ちこたえてくれました.
さて幸いなことに翌朝から天気が回復!
希望通り寒いなかで昼からお酒を飲みながら燻製造りにいそしみ,夜は焚火で焼肉BBQも出来ました.美味しかった~.
2泊3日のヤンバル(ガンバッタ!)キャンプを無事終えることが出来ました.
あれから時は経ちましたが,キャンプらしいことも出来ない強烈な一日が,家族でもすぐに鮮明に思い出す印象深い日となりました.
期待した豊かな時間が過ごせなくても,今が有ればすべて思い出深く,良かった時だったと思えるのが「人の不思議さ」かなとも感じています.
あっ,このサイトにはオートサイトは有りません.キャリーカートは必須です!
お忘れにならないよう.(笑)
比地大滝キャンプ場(沖縄県国頭村)
比地大滝はトレッキング出来て,最後の光景は森のマイナスイオンもあってか,まさに自然に還れます.ちなみに沖縄一の水量の滝だそうです.そこに併設される最高のキャンプ場です!