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【一点集中】どんな問題もスパッと解決!
シュッ、シュッ、シュッ、シュッ
それはある休日のこと、まだ夜が明け切る前の時間。耳慣れない音に目が覚めた。眠い目を擦りながら、音の出所を探ると、どうやら、それはキッチンから。こんな時間になんだろう、モゾモゾと布団から出て、キッチンを覗いてみると、そこには包丁を握った女が一人……
おはよう、振り向いたのは妻。なんということはない、彼女がやっていたのは包丁研ぎ。聞き慣れない音は、ナイフシャープナーと包丁が擦れる音。
あっ、ごめんね。起こしちゃった。最近、この包丁、どうも切れ味が悪くて。でも、これでもう大丈夫。そう言って、こちらに向けた包丁の刃がキラリ。なるほど、確かにこれならよく切れそう。鋭く磨かれた刃に、力が正しく伝わって、かる〜く引いてあげれば、スパッといきそう。
やっぱり時々研いであげないとダメだね、満足そうな彼女が続ける。
「切れない包丁って、刃が尖ってないだろうね。だから力が分散しちゃうんだよね」
そんな彼女の言葉を聞きながら、ぼくは、激しく同意した。そう何事も、力を分散させてはならないのだ。成果を出したいのなら、まずは一点突破、力を一点に集中させて、「そこ」で成果を出すことが大切なのだ。
実際、あの時だって同じだった。頑張っているはずなのに成果が出ない。色々とチャンレンジだってしているのに……「いまいち感」を抱えていたぼくを変えてくれたのは、まさにこの「一点突破」だったのだ。
それは、今から一年ほど前のこと。会計コンサルタントとしてお客様の決算のお手伝いをしている時のこと。その当時のぼくは悩んでいた。このお客さまとの付き合いも、随分と長くなった。会社のことは、色々とわかるようになったけれど、果たして、ぼくは会社に「価値」を提供できているのだろうか。そんな考えがいつも頭に張り付いていた。
そして、そんな時は、ついつい人と比べてしまうもの。
同じコンサル仲間の、あいつはあんな風に活躍している。別のあいつは自分の強みを発揮して、お客様から高い評価をいただいている。それに比べてぼくなんて、と自己評価、自己肯定感がどんどんと下がっていく毎日だった。
そんな時、ぼくが出会ったのが、行動イノベーションメソッドの開発者、目標実現の専門家、大平信孝先生の言葉「一点突破 全面展開」
その意味は「成果を出したいのなら力を分散させてはいけない。まずは、一点に集中させて、「そこ」での突破を目指す。「そこ」で成功体験を積む」そして、その成功体験から学んだはずの、自信、ノウハウ、自己管理、自分らしい努力の方法、その他諸々、一切合切を「次」に持ち込む。「次」でも力を分散させず、ここでも再び一点集中。
そんな風にして「今、ここで成果を出していく」を、少しずつ少しずつ広げていき、最終的に目指すところが全面展開という考え方、行動方針。そこで、ぼくが最初の一歩として取った戦略は「つなぐ」だった。
当時、コンサルタントの入れ替わりや、お客様の人事異動が重なり、コンサルタントとお客様、お客様の社員同士の関係がいまいちだった。ただ、ぼくはそんな中でも、お客様との関係も長く、比較的、上手に人と人を繋げられていた。
これかもしれない、これなら成果が出せるかもしれない。そう思ったぼくは、ギスギスした関係があれば、進んで間に入った。
片方の意見を聞きもう一方に伝える。するとその一方が、自分の意見をあっちに伝えてほしいと言う。ぼくは、双方の間を行ったり来たりして、お互いがどこで繋がれるかを探し続けた。それでも上手くいかないときは、場を設け、双方が歩み寄って問題解決する糸口を作った。
上手くいかないこともあった。そんな時はつなぎ役のぼくが責められた。そんなこと、ぼくに言われても、そう思うことは何度もあった。それでも諦めずに、つなぎ役に徹しているうちに、次第に周囲は、ぼくをこんな風に思うようになっていた。
あの人のところに行けば問題が解決する。解決しない時も必ず誰かに繋いでくれる。まずはみつさんのところに行ってみよう。そうぼくは、いつの間にか社内を繋ぐ「ハブ空港」のような存在になっていたのだ。
確かにあの時、ぼくは「一点」に集中していた。思ったように物事が進まず、あれこれと手を出したくなることはあった。それでも、そこはグッとこらえて「つなぐ」という一点に集中した。
その結果、今がある。お客様にもコンサルタント仲間に頼られて「最後はみつさんに任せます」「みつさんだから相談したい」そう言ってもらえる存在になった自分がいる。
だから改めて思うのだ。全く妻の言う通り。何事も力を分散させてはならないのだ。成果を出したいのなら、まずは一点突破、力を一点に集中させて、「そこ」で成果を出すことが大切なのだ。
そうやってこれからも自分を研ぎ続けて、スパッと問題解決する自分でありたい、そう思っているのである。
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