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質問だけならコーチングなんてお断り!!

Resourceful first, not question first.「大切なのはリソースフルな状態になること、質問ではない」

リソースフル

過去の記事の中でも何度か登場しているこの言葉。意味としては、リソース(資源・財産・資質)がフルの状態、転じて「自分が持っているものを自由に使える状態」

行動イノベーション流コーチングでは、クライアントがリソースフルの状態になることを目指す。自分本来の力を正しく認識して自在に使いこなせる。だから自然と動き出せる。夢・目標に向かって一歩を踏み出せる、その状態を目指しましょう、というわけだ。

ただ、今日の本題はここから。このリソースフル、実を言うと、コーチ自身にこそ大切。のぶ先生の言葉を借りれば「コーチ自身がリソースフルであればあるほど、そこから溢れ出る雰囲気にクライアントが影響される」 コーチングの成否はコーチ自身のリソースフル加減にかかっているのだ。

実際、この言葉の大切さをぼく自身も痛いほど感じている。と言うのは、三ヶ月ほど前、ぼくにはこんな苦い経験ががあったから。

それはぼくの本業である会計コンサルタントのお客様との打ち合わせ。作戦会議と名付けたその時間では、定期的に「今後の仕事の進め方や、これからの社内でのキャリア展開」について相談に乗る。つまりはコーチングの継続セッションだ。

その日もいつものようにセッションを行う会議室に向う。ただ、その日のぼくは直前まで全く別件の打ち合わせ。そしてこの別件が、これまたかなり複雑で、ぼくはかなり頭を悩ましていた

それでも時間が来たということで一旦打ち切り。気分を切り替えながら部屋を移動し作戦会議がスタートとなった。

いつものように「最近どうですか?」と質問して、クライアントの調子を診断する。そして「今日はどんな話がしたいですか」「本当はどうしたいですか」と質問して真のテーマを探っていく

相手の横で同じ絵を見るような感覚で好奇心を持って話を聞いて、なるほど、そんなふうに感じているんですねと相手の主観に寄り添っていく

のがどうにも違和感が否めない。気持ちがフワフワ、ソワソワしていて、自分が「今、ここでクライアントといる」という感覚が持てない

ただ、それも考えてみれば当然だった。というのも、直前までぼくは別件で頭を悩ませていた。そしてそのままの自分でコーチングセッションに臨んでしまった。だから、自分のことでいっぱいいっぱいで、クライアントに真の意味で寄り添う余裕・余白が欠けていた。つまりはリソースフルではなかったわけだ。いくら質問だけをしても、しっくりこなかったのは当然の結果……

幸いこのときは、比較的早い段階で自分の状態に気づいた。だから、大崩れすることはなかった。いつもよりも少し強めに「今・ここ」や「クライアントに寄り添う」を意識して自分を取り戻すことができた。結果、クライアントにも喜んでもらえるセッションとなった。始まる前よりもリソースフルになって「それ、試してみます」と言ってもらえた

とはいえ、である。クライアントのセッションの最中に自分を取り戻すなど、プロコーチとしては…… である。やはりプロコーチたるもの、クライアントのリソースフルな状態を目指す上では、自分自身の状態を把握して、コントロールできる状態でいたい。そして常にリソースフルな状態でセッションに臨みたい

この経験を通じて、ぼくは、そんなことを考えるようになった。そして、それ以来、ぼくが心がけていることがある。それはセッションに臨む前の「よかったこと・嬉しかったこと・感謝したいこと振り返り」だ。

短い時間でもこれをやることで「良い状態の自分」を取り戻せる。たとえ、それまで「マイナス」の側にいたとしても「プラス」要素を混ぜ込んで中和できる。ニュートラルな状態を取り戻せる。

もう一つが、行動イノベーションコーチの五つの心得を読み返すこと。

-  あなたの人生の主役はあなた
-  あなたはそのままでいい。本来の自分を取り戻せばいい。
-  あなたの可能性は無限大
-  あなたの主観に寄り添います。
-  Resourceful first, not Question first

これを読み返して、改めて自分の役割を思い出すと言うわけだ。

そして、その効果はというと、ほんと、驚くばかりなのである。「それまで」の自分から離れることで、気持ちに余裕が生まれ、また、コーチとして目指す状態を再認識することでスイッチが入る。つまりは、クライアントのための「リソースフルなコーチ」が出来上がる。

ちなみに、この二つ、セルフコーチングにも効果がある。自分自身に接するとき、まずはあなた自身がリソースフルなコーチになってみてほしい。その上で「本当はどうしたいの」 そう尋ねてみれば、これまでよりもずっと素敵な自分が見つかるはず、ぼくはそう信じている。

と言う意味では、この記事に書いた成功体験も、実は「よかったこと・嬉しかったこと・感謝したいこと振り返り」と「行動イノベーションコーチの五つの心得」のおかげ。セルフコーチングを始める前に、二つを実践していたのである。

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