小学生男子
雨が降っても、傘を差さない…
傘は差さずにびしょ濡れになっても、地面をつつく。
傘で戦う。
風邪をひかないように母が用意した上着は、何日も持ち帰らず、
学校の落とし物箱で見つかる。
風邪をひけば上着を着るだろうと思っても
そっとしておくと鼻水が垂れても
風邪はひかない。
そのくせ、怪我はしょっちゅうする。
個人面談で、母は机の整理をして帰る。お道具箱の中を触るときには点数の悪いテストが出てきてもいいから、
締め切りが過ぎたプリントが出てきてもいいから、
どうか、動く黒い虫が出てきませんようにと思う。
息子は友だちと調子に乗って自転車で遠くまで行ってしまい、
帰り道が分からなくなって、シンボルタワーをめざして、なんとか
泣きながら帰宅する。
それでも、懲りずに遠くに行ってしまう。
機嫌のよい時にはそれを冒険談として、得意気に語りだす。
なんだかなぁ と思いつつ
過ぎてしまうと
可愛かった小学生時代。