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ジャンクカメラ4台目
メルカリジャンクカメラ4台目はCanon FTです。
送料込み699円でした。ファインダーの腐食、シャッターが切れたり切れなかったり。通電なし。外観のスレと腐食、底面凹みあり。
というカメラでした。らくらくメルカリ便で届きました。
開封し巻き上げレバーを巻き上げると直ぐにミラーアップし停止しました。こうなると巻き上げレバーとシャッターはロックされてチャージできません。もろにジャンクでした。
これまでの経験より、上蓋と底蓋を外しました。(結果的に上蓋は外さなくて良かった。)
どこのメーカーの一眼レフカメラも大体構造は同じような感じです。右上にシャッター巻き上げギアがあり、そこから底面にシャッターの動きを伝達する棒が伸びています。シャッターボタン自体は短くて、本体上面の棒を押しているだけです。
底面を見ますと棒の下端、右側(写真では左端)に巻き上げローターがあります。これがロックしたままになっているので、巻き上げができないのです。これを無理に捻ると壊れます。全てのチャージロックの解除をしなくては回りません。底面のレバー群を外したりすると巻き上げローターのみ回るようになりますが危険です。レバー群を外さない方がいいと思います。理由は元の位置がわからなくなることが多いためです。つまりどのセクションがチャージされてどこがチャージ解除されたかわからなくなります。
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さて本体のミラーボックスを観察して、シャッター機構は本体左側にあることを確認しました。(右にある機種もあります。)
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一眼レフカメラの動きは下記になります。
巻き上げ→チャージ→底面のレバーが本体下部のミラー動作をチャージします。→シャッターを押すとロックが解除され、ミラーロックも解除され動きます。この動きはシャッターユニットと連結されているので、シャッターユニットのギア比で決定された時間でシャッターが動き出します。ミラーが上下するとシャッターも開いて閉じるのです。
巻き上げはロックをする仕組みでシャッターボタンは解除する合図(仕組み)です。
巻き上げでチャージ=ミラーやシャッター動作のバネを伸ばしたままロックしスタンバイ状態にします。そしてシャッターボタンで全ロックが解除になるのです。
解除されると自動的にミラーロックが解除されミラーとシャッターが動き一連の動作は終了して初期状態に戻ります。
つまり巻き上げができないということはミラーがロックされているということです。
稀にミラーが上下することがありますが、ミラーがロックされていないということはとても重症であり、一連の動作の連結機構が外れているのでもう完全に壊れています。
中途半端に触るとこの状態でお手上げになり、ミラーボックスを外すことになります。
ジャンクカメラを3台分解して学んだことは、連結を触ると危険だということです。
さて今回のキャノンFTはシャッターチャージしたら、一瞬でミラーアップしましたので、ミラーのバネ群が固着しているということになります。
この機種はミラーボックス左側にミラーのレバー群があるので底面よりその部分にベンジンとオイルを混ぜたものを適量注入しました。念の為セルフタイマーもチャージしました。注入オイルがミラー機構を伝わり、約5秒でセルフタイマーがジーッと動き出しました。その後ミラーアップが突然解除され、全ての機構が動き出しました。
固着していたミラー機構をベンジンが溶かして、オイルが緩めてくれたのです。
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ベンジンは何を溶かしているのかというと、
劣化したグリス、もしくはボロボロになったダンパーゴムだと思います。
オイルのみ注入してもあまり何も起きないのですが、ベンジンを多めに含んでいると固着をかなり解除してくれるようです。
ベンジン対オイルの比は、9対1と言われていますが、私は5対5にしました。
前回3台目でベンジンを多くしてその後動かなくなったので少なめにしました。
底蓋と上蓋を元に戻して動作確認しましたら、正常に動くようになりました。
3台目のジャンクカメラでダンパー劣化が原因なのでオイル注入は意味がないと言いましたが、実は今回は有用だったという話でした。
チャージされない原因はほぼほぼミラーの動作停止なのです。ミラーロックを解除すると意外にすんなり治ることもあります。
シャッター機構は本来あまり壊れないらしいので今回はここには触れませんでした。
フルレストアではないのでグリス切れでまたミラーが固着する可能性は高いと思っています。