見えないから起こる勘違いと思い込み
こんにちは!
全盲整体師高野をサポートしているささきです。
見えないパートナーとの毎日は、
日々プチトラブルがあります。
その中のひとつ
パン屋さんでの出来事です。
パン屋さんのパンって
種類もたくさんあって美味しいですよね。
あるとき、知人のイベントで
出張整体をすることがありました。
当然、昼食は合間に食べるのですが、
簡単に食べられるよう
近くのスーパーのベーカリーに
パンを買いに行きました。
どんなパンが売り出されているのか、
まず店内を見回し、
パンの名前を読み上げていきます・・・
揚げ物やソーセージが入った惣菜パンから
定番のあんぱんやクリームパンまで
小さいお店の割に
たくさんの種類がありました。
読み上げていく中で
「マフィン」といったとたん
「それがいい」と
高野が言うのです。
私は
「そんなに甘いもの好きじゃないのに変だな~」と思いながらも
マフィンともうひとつ、パンを高野用に買って
会場に戻りました。
高野はひとつのパンを食べ終え
マフィンをぱくりと食べ
「僕が食べたかったのこれじゃない」というのです!
私は「やっぱり・・・」と思いました。
なぜ、こんなことが起きたのか?
ご存知の方も多いと思いますが・・・
マフィンには2つあるんです!
①マフィン・・・アメリカ式のカップケーキ状の焼き菓子。
②マフィン・・・丸型で焼いたパン状のイングリッシュ・マフィン。
そうです。
高野が食べたかったのは
②のイングリッシュ・マフィン、
「まるくて、間にレタスや卵がはさんであるパン」だったのです!
もし、目が見えていれば
「マフィン」と言っても
現物を見て
自分が食べたいものではないことは
すぐにわかったでしょう。
しかし、高野にとっては
実家でよく食べていた
「イングリッシュ・マフィン」こそが
「マフィン」であり、「マフィン」と聞いて
「イングリッシュ・マフィン」だと
思い込んでしまったのです。
逆に私はイングリッシュ・マフィンは
あまり食べたことがなく
大体どこのパン屋さんでも
カップケーキ式のマフィンを見るので
マフィンと言えば「アメリカ・マフィン」だと
思っていたわけです。
もし、私がイングリッシュ・マフィンの存在を認識していれば
パンを買うときに説明できたかもしれません。
でも、パン屋さんでイングリッシュ・マフィンを見ることって
そうそうないような・・・
その後、別の日にも高野が
「まるいパンで、これぐらいの大きさで・・・」と
イングリッシュ・マフィンのことを
一生懸命説明するので、
スーパーのパンコーナーに連れていき
それらしきパンの袋を持って触ってもらいました。
どうやら合っていたらしく
「これ!」と言ったのは
歴代の有名女優さんがCMに出ているメーカーのパンでした・・・。
CMのことを言ってくれたらわかったのに、と
一瞬思ったのですが、、
目が見えないので
テレビを見るはずもなく。。
(高野のテレビ番組の記憶は20年前なのです)
手に取ったマフィンの袋を
そのままスーパーのカゴに入れ、
買って帰りました。
次の日、
マフィンをトースターで焼き、
間にゆで卵やらチーズやらはさんで
高野に食べさせてみたところ、、
「食べたかったのこれだ~!」と
ご機嫌でした(^^)
これにて一件落着♪
しかし、
これは考えさせられる出来事でもありました。
目が見えていても、
もし小説で
「朝食にマフィンを食べた」という文章があったら
詳細な説明がなければ
自分の知っている「マフィン」だと思うでしょう。
「思い込み」「勘違い」という言葉を使っていますが
これは視覚障がい者、晴眼者関係なく
起こりうることであり、
自分の思っていることが
当たり前や常識ではないことを
改めて肝に銘じようと思いました。