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2023年6月の読書まとめ


読書数

読書数トータル---10冊

  • 紙の本---4冊

  • Audible---5冊

  • Kindle---1冊


ひとこと

1月〜5月の間は順調に毎月18〜20冊読めていましたが、6月は旅行に出かけたり、ゲームに時間を取られたり、夏本番に向けてAudibleで耳読するよりも夏ソングを聴いていたりと、色々な理由で、10冊にとどまりました。

いつもより少なめの読書数の中で、4月から大事に読み進めていた村上春樹さんの『街とその不確かな壁』を読了したことと、宮島未奈さんのデビュー作『成瀬は天下を取りに行く』に出会えたことが、印象的な読書体験でした。


今月読んで良かった本5冊の感想(読み終えた順)

成瀬は天下を取りに行く 宮島未奈

『最高の主人公、現る!』と帯に書いてある通り、本当に最高な主人公の楽しいエピソードが読めて痛快な一冊でした。
変わり者の主人公、成瀬の言動、考え方、何ひとつ曲がったところがないんですよね。
身近にいる人の視点から描かれていて、誰もが多くの読者と同様、普通側の人間なのですが、読み進めるうちに、どちらかと言うと『正しく生きている』のは成瀬その人である気がしてきます。
最初の章にもありましたが、普通ってなんだろうっていう、定番の疑問に、良い感じでヒントをくれる本だと思いました。
続編も、是非出して欲しいなあと思います。

夜の道標 芦沢央

殺人事件を起こした指名手配犯の動向を追いつつ、少年達の友情物語への感動、親子関係とはどうあるべきなのかという問い、旧優生保護法についての問いを、同時に読者に与えるという、複雑なミッションを見事にこなした作品です。
面白かった、という表現は不適切かもしれませんが、後半はどうなるか気になってどんどん読み進めました。
ただ、タイトルと内容の結びつきがやや薄弱かなと感じました。
いくつかの重要なシーンが夜じゃないので…。
登場人物の心情は確かに夜かもしれないけれど、タイトルに絡んだ言及が見つけられない事が気になりました。

勇者たちの中学受験 おおたとしまさ

三者三様の中学受験物語。
学校名や塾名が全て実名で、合否などもやけにリアルだなと思いましたが、解説で実話だと明かされており、物語というよりドキュメントという感じでした。
お子様の中学受験を検討しているご家庭には必読の一冊だと思います。そういう意味では私には必要ないのですが、社会構造を理解する知識のひとつとして興味深く読ませて頂きました。
中学受験の必要性や是非に関しては色々意見があると思いますが、親も本人も多大な犠牲を払うので、人生で大切なものを得る手段として中学受験が適切か、よく考える必要があると思いました。

仕事と人生に効く 教養としての紅茶 藤枝理子

紅茶に関するトリビアがたくさん詰まった一冊。
私は著者の藤枝先生のサロンに一時期通っていたので、既知の事ももちろんありましたが、紅茶の歴史に関する細かい話は知らない事も多くて、前半の歴史・知識編が特にとても面白いと思いました。
紅茶って普通に飲んでも美味しいけれど、豆知識的なことも思い出しながら頂くとより楽しくティータイムを過ごせるかも。
香りや水色(すいしょく)や温度、フードペアリングなど実践的な知識も役立ちますし、毎日のように飲んでいるリプトンのティーバッグにも歴史があると知ることが出来て、嬉しかったです。

街とその不確かな壁 村上春樹

この本の世界観に長く浸っていたくて、大切に大切に読みすぎて読破に2ヶ月かかりましたが、素敵な読書時間が持てて幸せでした。
『世界の終わりとハードボイルドワンダーランド』を偶然にも最近再読したばかりなのも良かったかもしれません。
最初は続編なのかと思いましたが、この2つの作品はパラレルに併存するもののようです。
どちらも好きだけど、前作はスリルがあって、今作は凪のような雰囲気です。
結末がなんとなく予想出来てしまったのが唯一残念かな。
ページ数が多いですが、読みやすいので集中して読めば1週間ぐらいで読めると思います。


今月読んだ本一覧

  • 成瀬は天下を取りに行く 宮島未奈

  • 今宵も喫茶ドードーのキッチンで。 標野凪

  • 頭がよくなる思考術 白取春彦

  • かか 宇佐美りん

  • 夜の道標 芦沢央

  • 正体 染井為人

  • 勇者たちの中学受験 おおたとしまさ

  • 仕事と人生に効く 教養としての紅茶 藤枝理子

  • バナナケーキの幸福 山口恵以子

  • 街とその不確かな壁 村上春樹


今読んでいる本

  • ニッポンの正体 白井聡

  • 27000冊ガーデン 大崎梢

  • 子どもたちは夜と遊ぶ(上) 辻村深月

  • 震える牛 相場英雄

  • 骨灰 冲方丁


来月に向けて

7月は、上半期直木賞発表があるので、ノミネート作品を買い揃え、ちょうど読み始めたところです。
全部読み終えたら、受賞作品を予想しようと思っています!

辻村深月さんの新作『この夏の星を見る』は、楽しみにし過ぎて間違えて2冊購入してしまうというミス…(予約購入していたことを忘れていて書店でも買った)。2冊分楽しみたいと思います。

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