2023年3月の読書まとめ
読書数
読書数トータル---20冊
紙の本---9冊
Audible---9冊
Kindle---2冊
ひとこと
3月は日数が多いのであと2冊ぐらい読めるかな?と思っていたのですが、後半特に忙しくなってしまって無理でした。
運転の時間が長かったので、Audibleでの耳読の割合も多くなり、紙の本があまり読めなかったです。
今月イチは、割と古い作品ですが池井戸潤さんの『空飛ぶタイヤ』。今まで読んだ池井戸作品で一番良かったです。
新作では、特別コレといった作品には出会えなかったかも…。
そして、本屋大賞ノミネート作品をやっと読み終えたので、後日ゆっくり1位の予想をしたいと思います!
今月読んで良かった本8冊の感想(読み終えた順)
ウクライナから来た少女 ズラータ、16歳の日記 ズラータ・イヴァシコワ
戦火の地ウクライナから日本へ避難してきた16歳の少女ズラータの、激動の日々が綴られた一冊です。この方は未成年ということもあって、色々な人の支援で今日本に暮らしているのですが、この本を読むとそれはただのラッキーだけではないということがわかります。彼女の語学力、行動力には目をみはるものがあり、他の資質(柔軟さや素直さなど)も持ち合わせているけれど、周りの人たちや運を動かしたのはやはり『日本が好き』という思いなのではないかな。そしてお母さんの娘を思う気持ちを想像すると涙が出そうに…。早く戦争が終わりますように。
火車 宮部みゆき
大昔に読んだことがあり、初めての宮部みゆき作品がこの本だった記憶があります。読後、将来借金だけはすまいと心に固く誓った事を強く覚えていますが、物語の内容はキレイに忘れていました。今回、Audibleで再読(聴)しましたが、朗読が三浦友和さんで、視点人物が休職中の刑事さんということなので、最近再配信で観たドラマ『流星の絆』の刑事役のイメージで脳内再生していました。イマドキのミステリーに比べて話の展開がゆっくりでしたが、その分登場人物一人ひとりの心情が丁寧に描かれていて、さすが宮部みゆきさん。面白かったです。
覇王の轍 相場英雄
警察、官僚、政治、JR(ここではJE)の暗部を描いた物語。この手の小説で、警察官僚の、しかも女性が主人公というのが珍しいと思いました。疑惑の提示、謎解きなど、読者を置いていかずに丁寧に描かれていたところに好感が持てましたが、90%ほど読んだところで、まさかこれで終わりじゃないよね?障壁なく終わりすぎじゃない?と思ってしまいましたが、ラスト10%で急展開!スプラッシュマウンテンのようでした(わかります?)。読み終えてから知ったのですが、シリーズ物のスピンオフとのことなので、シリーズ本編も読んでみたいです。
君のクイズ 小川哲
この世界で僕たちが出題されるクイズのほとんどには答えが用意されていないー競技クイズというスポーツにも似た世界に身を置く主人公、三島玲央は、ライバル本庄絆との戦いを振り返り、そして伝説の『ゼロ文字押し』はどうして成り立ったのかという謎を解き明かすことで、彼のクイズ人生をひとつ進めていく…そんな物語でした。大長編の直木賞受賞作『地図と拳』とはまったく方向性が違い、内容的にも気軽に読める一冊です。競技クイズの世界の裏側、クイズ作問の仕組みなど、この小説を読まなければ知る由もなかった事が知れて面白かったです。
空飛ぶタイヤ(上・下) 池井戸潤
池井戸潤さんの作品で一番多いテーマは『大企業のプライドと慢心、それに立ち向かう誠実な人々の姿』だと思うのですが、この作品はまさにそれを壮大なスケールで描き切った、素晴らしい1冊(上下巻なので2冊かな)だと感じました。池井戸さんの作品の中で一番感動したかもしれません。上巻で読者に与えられたテーマと疑問は、終わってみれば確かに思った通りのラストを迎えるのですが、そこに至るまでの登場人物の言葉の重みやシリアスさが、他のシリーズの作品より深いと思いました。実話を元にしているということも、色々な意味で驚きでした。
川のほとりに立つ者は 寺地はるな
自分と少しでも関わりのある人、自分の大切な人、様々な人にある『その人にしかわからない、その人の事情』。それらをどれぐらい推しはかれるか、推しはかった上で、どれぐらい思いやった行動を取れるのか。そんな自分への問いかけが心に残る作品でした。私は小説をたくさん読んでいる分、人それぞれの事情を想像することは得意な方かもしれないけれど、果たして何かの行動に移すことは出来ていないと思うので、そのことについて考え込んでしまいました。物語の題材として、恋愛なのか友情なのか、ハッキリさせないところが、時代だなと感じました。
変な絵 雨穴
よーく見ると変な絵、にまつわるミステリー。最初はショートショートのような感じで始まりますが、後半それらがパズルのピースのように活きてきます。前作『変な家』は、中盤で『そんなわけないでしょ!!』と笑ってしまいたくなるような部分が散見されましたが、今作は不自然に思える箇所は見当たらず、全体を通して面白かったです。前作は登場人物が多かったのですが、今作は『ある1人の人の人生』という本筋からぶれなかった点が良かったんだと思います。ですが、ホラー要素の強い話なので、惨殺シーンなどがダメな方にはおすすめできません。
今月読んだ本一覧
15歳のテロリスト 松村涼哉
ウクライナから来た少女 ズラータ、16歳の日記 ズラータ・イヴァシコワ
カレーの時間 寺地はるな
読む力 最新スキル大全 佐々木俊尚
幻告 五十嵐律人
カラフル 森絵都
つぎはぐ、さんかく 菰野江名
「めんどくさい」が消える脳の使い方 菅原洋平
覇王の轍 相場英雄
結局、「手ぶらで生きる女」がうまくいく エミチカ
魔女と過ごした七日間 東野圭吾
空飛ぶタイヤ(上) 池井戸潤
脳の闇 中野信子
君のクイズ 小川哲
空飛ぶタイヤ(下) 池井戸潤
川のほとりに立つ者は 寺地はるな
変な絵 雨穴
掌に眠る舞台 小川洋子
あなたの人生、片付けます 垣谷美雨
今読んでいる本
頭がよくなる思考術 白取春彦
静かな人の戦略書 ジル・チャン
君はなぜ、苦しいのか 石井光太
Another side of 辻村深月
来月に向けて
4月は、13日に村上春樹さんの新刊『街とその不確かな壁』が発売になるのでそれが楽しみです。672ページの鈍器本。4月中に読破できるかな??
また、12日に本屋大賞発表ですが、同時に翻訳小説部門の作品も発表になるので、受賞作をチェックしたいところです。
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