スタンドバイミー

昨日書いたエッセイ、好きを押してくださった方ありがとうございます。いやー、びっくりした。

 さて。今日は映画と小説の話を少ししようと思う。
 私はそれなりに読書が好きだが、好きな作家がめっちゃくちゃに偏ってる。日本人なら浅田次郎先生、外国人作家ならスティーブンキング だ。どちらも筆が早い。あほか?と思うほど早い。遅筆の私はとても悔しい。

 んで、タイトルです。まんまです。映画が圧倒的に有名な作品だけども、原作もよい。スティーブンキングの私小説に近いと言われている作品でもある。
 映画は多分見たことある人がほとんどなんかじゃないかな?少年たちの冒険と涙のストーリー。グーニーズと並んで好きな人多いと思う。

 内容はネタバレも含むので見たことない人、読んだことない人はここでストップしてくださいね。あと登場人物の名前忘れたので、夭折の美形俳優、リバーフェニックスの名前を借ります。

 この作品、泣きどころが多い。映画はかなり多い。特に主人公とリバーフェニックスが二人で語り合うところなんて涙ボロボロ。
 リバーは不良の兄を持ち、そのせいで迷惑被りまくり。本人は勉強して大学に行って弁護士になりたい。でもあの家に生まれた以上それは望めない、と涙をこぼす。主人公は事故で突然亡くなった兄があまりに優秀だったため、家で兄が生きていたら…と嘆く両親を見るたびに、死んでいたのが自分だったら良かったのにと涙をこぼす。

 まあこの辺とかは全部映画で見てもらえばいいかと思います。ここからは原作にのみある、冒険が終わった後の話を少し書く。

 アメリカはなかなかに職業差別が強い。いわゆるブルーカラーとホワイトカラーに分かれ、リバーの家はブルーカラーでも結構な底辺。おまけに兄は筋金入りの不良。
 そんな一家の息子であるリバーは進学コースに進む。当時ブルーカラーかつ不良の印とされたエンジニアブーツを履いて。
 最初は白い目で見られていたが、本人は必死に勉強して遅れを取り戻し、さらに前に進みクラスメイトや教師からの視線も変わってくる。

 が、実は主人公は結構冷たい。元々進学コースの彼はリバーに勉強を教えるのだが、そのせいで自分の勉強が進まなくて困るとか思ってる。…スティーブンキング なんだけどね。

 そしてリバーは希望通りローコースに進み、弁護士資格取得の勉強を順調に進めるが、カフェで起きた喧嘩の仲裁をした時にナイフでさされてしまい、死ぬ。ここは映画でもでるね。

 で、何が言いたいのかというと、原作は冒険などの描写は感情などもたっぷりに書かれているのだが、リバーが進学コースに進んでから死ぬまでがものすごーーくあっさりなんです。冷たいと言ってもいいかもしれない。主人公であるスティーブンキングの心情はほとんど書かれていなかったと思う。
 スティーブンキングの作品はわりとそういうところも多いのだが、おや?と違和感を感じるほどに淡白だった。そしてリバーフェニックスはスタンドバイミーで彼が演じた役の男の子と同じくらいの年齢で薬物の過剰摂取により死亡している。それを見ていたのがジョーカーで素晴らしい演技をしたホアキンフェニックスなんですが、またジョーカーと彼の話は別の機会に。

 さて、話を戻そう。淡白だな…と何日か考えていた時、私はある話を思い出した。
 今、季節は夏。夏は日本は戦争にまつわる日にちが多く、それに合わせた映画もテレビ放送されたりする。
 ここで思い出した人もたくさんいると思う。そう、火垂るの墓である。

 火垂るの墓も野坂昭如先生の自伝である。ラストは違うけど。ラスト通りなら先生亡くなってるしね。
 高校か中学か忘れたが、この原作が現国の教科書に載っていた。初めてそれで原作があるのを知ったのだが、私はそれこそ雷食らったくらいショックを受けた。
 ヘッタクソなのだ。言いたいこと伝えたいことは全て伝わるのだが、文章力がもうゼロに近い中学生が書いた作文のようで、構成もなにもなく、段落などもむっちゃくちゃ。
 もちろん野坂先生は普段そんなぶんしょうは書かない。なので当然私は質問した。

 そんな文章しか書けなかったそうだ。
 何度も何度も書いても、どうしてもそういう文章になる。小説を趣味で書く私もなんとなくその辛さがわかる。で、書けないんでそれをそのまま出版した。読み込めば逆にその方があの戦争の残酷さがよくわかるのだけど。
 野坂先生はずっと自分を責めていらっしゃる。自分がちゃんとしていれば妹は死ななかったと。その思いがあの文章になったのかもしれない。

 で、スティーブンキングも同じ状況だったのではないのだろうかと思った。自力でめちゃくちゃ困難な道を乗り越えて、これからだ!という時になんとも悲しい死に方をした親友のことを、ああいう形でしか書けなかったのではないだろうか。
 私がスティーブンキング に会うことはありえないから聞くことも出来ないし、解釈違いの方もたくさんいらっしゃると思うが、私の中であの話はこういう捉え方になっている。

 ちなみにスティーブンキング 、今はおじいちゃんだけども私がハマりまくってたころはちょいワル親父な見た目で、ホラーのキングなのに怖がりでベッドで布団から足が出てるとお化けが出る!と言っていたことだけ書いておく。
 あと、徹夜かましながら図書館にあるだけ読んだのに作品の内容をほとんど忘れてしまったことも。パンクファッションの時はゲッタグリップ履いてたけど、あれはガチのエンジニアブーツで鉄板がつま先に入っていたので、うっかり勤めていたショップのカウンターの下を蹴り壊したことも。

 次はジョーカーか、ファッションについて書きたいですね。
 長文読んでいただいてありがとうございました。

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