統合失調症って不治の病なの?
こんにちは。
都市型地域医療研究所の小原です。今日は、クリニック中野の芳賀先生に統合失調症について解説してもらいたいと思います。
統合失調症の当事者の方に話を聞くと、診断を受けたときは絶望的な気持ちになった等、病名を知らない方がよかったかもという声も多く聞きます。今回は統合失調症を理解し、うまく付き合えるような生き方を芳賀先生に教えていただきました。
統合失調症とは?
・神経細胞と神経細胞の接続部でドパミンという神経伝達物質が上昇してしまっている状態、この状態が体質で起きています。
・20代くらいに発症することが多いです。
・神経細胞の接合部のドパミンが上がった状態になると、神経過敏から始まり色々な感覚が過敏になります。感覚が過敏になった状態が悪化すると幻覚や妄想になります。
・体質とその人が耐えられるストレスのバランスによって発症します。
統合失調症は不治の病だと絶望されている方が多いです。。。
体質で起きているので、体質が変わることは考えにくです。
芳賀先生もアレルギーがあり、体質として1日4種類のアレルギー止めを飲んで毎日暮らしています。飲まないように試したこともあったけど、体調が悪くなってしまい、ずっと薬を飲まないといけないと思うと絶望してしまうときもあったようです。
統合失調症も体質なので、薬が不可欠となります。しかし、それを聞くとやっぱり絶望してしまう人も多くいるようです。
どういう人が薬からの離脱ができるの?
抗精神病薬のリスパダール・リスペリドンを例にして説明します。
この薬は0mg~12mgまでの幅で飲むことができます。(12mgが最大量となります)
どのような方が離脱できているかというと、毎日0.5~1mgを飲んでいる方をその状態が長く続いている方ですと、薬なしにて生活することができるようになった方を何人も診ています。しかし3mg以上を飲んでいる人で薬をやめてうまくいった方は診たことがないです。やめてしまうと幻覚・妄想に支配されて入院されてしまう方が多いです。
毎日の内服がストレスの場合は?
薬を飲んでいることがストレスと受診時に相談される方もいらっしゃいます。毎日の内服に疲れている方は、月に1回少量の筋肉注射をしている方もいらっしゃいます。月に1回の注射以外は自身の好きなように内服しています。
月に1回の筋肉注射で抗精神病薬の血中濃度がある程度保たれ、幻覚や妄想はあるかもしれないが、重症にはならない状態が続いている方がいます。
ピアサポート
ピアサポートという同じような境遇の方々とお話する機会をおすすめします。(ご自身の身近なピアサポートの団体は病院の医師や相談員さんに相談してみてください)疾患のことを相談できるのは医師や家族だけでなく、同じ疾患を持っている方に対処方法を聞くことも心が楽になる方法です。
1人で悩んでいるのではなく、同じような気持ちを抱えてらっしゃる方がいることで多少気持ちが楽になり、その状態を積み重ねながら生きていくこともおすすめしています。
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