吹奏楽に対するスタンス
アマチュア吹奏楽団なので、吹奏楽に対するスタンスは人それぞれだ。
それを人に押し付けることなく、共栄共存できればいいなぁと思ったこと。
楽団を選ばず入団
私は長いブランクの後、最初の吹奏楽団に入団した。
このときは一般吹奏楽団のことはよく知らなかったし、とりあえず入団できれば良かった。
初めて見学に行ったとき、正直「この楽団は下手だなぁ」と思った。
しかし、私もブランク明けで下手くそだったので、人のことは言えなかった。
練習日時と場所も私にとって都合が良かったので、とりあえずあまり深く考えずに入団した。
合わなくなってきた
その後、私はレベルアップしていき、そこそこ演奏できるようになった。
私が入団した楽団は、コンクールバンドでもなく、定演で演出を頑張る楽団だった。
音楽的なことは、二の次のように見えた。
私は、在籍が長くなるにつれ「もっと難しい曲をしたい」「音楽的なことを磨きたい」と思うようになった。
いつまでもポップスや簡単な曲をするのは嫌だなと思うようになった。
私の吹奏楽に対するスタンスと、楽団のスタンスが合わなくなった。
合う人もいる
楽団に長く在籍している人はいる。その人達は楽団には特に大きな不満はないのだろう。
「楽しく演奏できればいい」
「音楽面では特にうるさいことを言わなくてもいい」
「お客さんを楽しませるために大きな演出が大事」
「お客さんのために昔流行った歌謡曲をする」
こんな考えで吹奏楽と向き合っている人は、この楽団に合っている人なのだろう。
もちろんこの楽団のスタンスが悪い訳ではない。
そんな考えの人が多数派というだけだ。
この楽団のスタンスを変えることもできないし、楽団と合わなくなった私は、最終的には退団することになった。
音楽面を重視
私は音楽面を求めてコンクールバンドに入団した。
コンクールに出るだけあって、全体的に一定のレベルを保っていた。
すごく上手いと思われる人が普通にいた。
周りが上手だったので、引っ張られるように演奏できた。
でも音楽面を重視するので、そちらでギスギスしていたと思う。
指揮者は、きちんと演奏できない人に対して「そんな音を出すなら音を出すな」みたいな言葉を吐き捨てたことがあって驚いた。
指揮者の性格も多分にあるが、思うようにいかないときに、嫌味を言ったり、チクチクする言葉を言うことが多かった。
団員の人も他人の演奏についてとやかく言っていた。
「ユーフォは聞こえない(これは普段の練習場所に問題があると思われた)」
「チューバの◯◯はいつも音の出だしがひっくり返る」
「トランペットの輝くような音が出ていない」
などだ。多少の不満は誰にでもあると思うが、それを耳に入れるのは嫌だなと思った。
また練習の欠席も指摘され、「ユーフォがいないことが多い」と不満げに言われたこともあった。
当時ユーフォは私を含めて3人在籍していたが、みんな仕事や家庭やらで忙しく、3人揃うことは稀で、全員欠席ということもあった。
私も多忙な中、なんとか時間を作って参加していたのに、なぜそんなことを言われないといけないのか、と思った。
その楽団は、音楽面にこだわるため、練習の参加も重視されていたようだった。
練習に熱心に参加できる人、歓迎、ということだ。
そんな楽団の空気がしんどくなり、練習に行くのも気が進まないことが増え、結局その楽団を退団することにした。
共栄共存
それぞれ楽団のスタンスがあり、それはそれでいい。
数十人ものいい大人が集まる団体で、みんなの方向性が一致するということはありえない。
吹奏楽を熱心にしたい人、楽しくできればいいと思う人など色々な人がいる。
その楽団や個人のスタンスを押し付けることなく、お互いがいい距離感でやっていけるのが理想だなと思う。