これで いいの? 課税区域の定め方(20)平成18年改正
ここには課税するが、あそこには課税しない。
即ち、課税区域がある、それが都市計画税。
その課税区域の定め方を調べています。
実を言うと、都市計画税を定めた地方税法第七百二条は、平成18年に改正されています。
法律第七号(平一八・三・三一) ◎地方税法等の一部を改正する法律
第七百二条第一項中「(以下本項」を「(以下この項」に改め、「市街化調整区域
(」を削り、「市街化調整区域をいう。以下本項において同じ。)において同法第三 十四条第十号イに掲げる開発行為に係る開発区域内で同法に基づく都市計画事業が施 行されることその他」を「市街化調整区域内に所在する土地及び家屋の所有者に対し て都市計画税を課さないことが当該市街化区域内に所在する土地及び家屋の所有者に 対して都市計画税を課することとの均衡を著しく失すると認められる」に改める。
改められた部分「・・・均衡を著しく失すると認められる」は、「特別の事情がある場合には、当該市街化調整区域のうち条例で定める区域内に所在する土地及び家屋についても、同様とする。」と続きます。
この改正を、立法者は次のように説明しています。
15 都市計画法の改正に伴い、都市計画税の課税区域に係る規定の整備を行う。
(総務省 平成18年度地方税制改正(案)要旨 18ページ)
この都市計画法の改正について、愛知県の文書を見つけました。
都市計画法の開発許可制度の改正について
都市計画法の一部が改正(平成 18 年 5 月 31 日公布、平成 19 年 11 月 30 日施行)され、 それに伴い、開発許可制度の扱いが一部変わります。
・・・・・
大規模開発の基準が廃止されます。
市街化調整区域において、開発区域の面積が一定の面積を下らない開発行為で、 市街化区域における市街化の状況等からみて計画的な市街化を図る上に支障が ないと認められるものについて、開発許可をすることができることとする基準 (法第34条第10号イ)が廃止されます。
つまり、改正前の第七百二条にあった「都市計画法第三十四条第十号イ」が廃止される、これが改正の理由です。
この改正により、市街化調整区域にも課税区域を定めることができる場合の定めは、「市街化調整区域内に所在する土地及び家屋の所有者に対して都市計画税を課さないことが当該市街化区域内に所在する土地及び家屋の所有者に 対して都市計画税を課することとの均衡を著しく失すると認められる特別の事情がある場合」と改められました。
さて、この分かりにくい定めは、どのように解釈すべきでしょう?
「均衡を著しく失する」とは、どのような場合でしょう?
「著しく」は、どう解釈すれば良いのでしょう?
そして、この改正によって、実質的な内容も改められたと考えるべきなのでしょうか?
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ちょっと気になる。
改正前の条文には「開発区域内で」「都市計画事業が施行されること」が明確に入っていました。しかし、改正後の条文からは完全に消えています。
通常の市街化調整区域とは大きく違う開発区域であること、都市計画事業が施行されること、これらは課税区域を設定するかどうかの判断をする上で重要な点ではないでしょうか?
これらを残すこともできたと思いますが、何故、残さずに消したのでしょう?
もしかして、消すこと自体が目的だった?
立法者はこれについて何も説明していないようです。
ここでも胡散臭い匂いが薫る!と感じるのは私だけでしょうか?
課税区域の定め方、これで いいの?
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