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おせち料理 出世祈願 くわい〈栄養編〉
前回、おせち料理の出世祈願のくわいの含め煮をご紹介しました。
ところで、くわいって?
今回はくわいについて、
お正月のおせち料理では「出世祈願」の願いが込められた、おめでたい願いが込められた食材として欠かせないものとなっています。
くわいの含め煮
https://note.com/happy3smile/n/nf041077ce2ae
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くわいは中国原産のオモダカ科のの水生多年草の里芋に似た球形の水性野菜です。
中国と日本でしか栽培されていないようで、中国のものが白くわいと呼ばれ、日本のものは青いので青くわいと呼ばれています。
お正月のおせち料理に使われるのも青くわいです。
くわいは、球形の芋部分から勢いよく芽が真っ直ぐに出ることから向上、出世祈願の縁起物として、大きな芽が出るので、めでたい(芽出たい)から、おめでたい縁起が良い食材として、お正月のおせち料理に用いられます。
〈くわいの名前の由来〉
くわいの名前の由来は、球形の芋部分から伸びた芽の形が、農作業のときに使う「鍬(くわ)」に似ていることから「鍬芋(くわいも)」と呼ばれ、いつしか「も」が取れて「くわい」と呼ばれるようになったとか。
〈くわい〉慈姑
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和名 くわい
漢名 慈姑(ジコ)
オモダカ科 オモダカ属 水生多年草
別名
英名 arrowhead
学名 Sagittaria trifolia var.edulis
属名のSagittaria trifoliaは
オモダカ科の植物の意味
種小名 var.edulisラテン語で
var.edulis(食用の)の意味
食材の旬 11月〜1月
《くわいの栄養と効能》
くわいには、炭水化物、たんぱく質、カリウム、リン、ビタミンB、ビタミンE、パントテン酸、葉酸、ビタミンB6、銅、亜鉛など
さまざまな栄養素が含まれている栄養豊富な食材です。
〈カリウム〉 むくみ予防 高血圧予防
くわいは、他の野菜に比べてカリウムの含有量が豊富です。
カリウムには体内の余分な塩分を水分とともに体外に排出する働きがあるため、むくみ解消に効果があります。また、カリウムは、血管の壁にかかる負担も和らげてくれる働きがあるので、高血圧の予防や改善にも効果があるといわれています。
〈タンパク質〉美髪 美肌効果
くわいにはさつまいもの約5倍にあたるタンパク質が含まれています。
成人の人で、体の約60%は水分でできていますが、15~20%はタンパク質でできています。タンパク質は筋肉や臓器、肌、髪、爪、体内のホルモンや酵素、免疫物質などを作る大切な栄養素で、健康や美肌、美しい髪に欠かせない栄養素です。
〈ビオチン〉疲労回復 美肌効果 アレルギー緩和
くわいは、他の野菜と比べて、ビタミンB群のビオチンの含有量が豊富です。
ビオチンは、皮膚や粘膜の健康を保つ作用があり、爪の強化や筋肉痛の緩和、疲労回復効果がある他、補酵素として糖質や脂肪、アミノ酸の合成や代謝などに関与するなど重要な役割をしています。 また、抗炎症物質を作り出し炎症を防ぎ、アレルギを緩和します。
〈ビタミンB6〉美肌効果 貧血予防 抗けいれん
くわいにはビタミンB6も含まれています。
ビタミンB6は、体内でのエネルギー代謝の補酵素として重要なビタミンで、アミノ酸の代謝や神経伝達に用いられ、不足すると痙攣やてんかん発作などの症状を生じます。
赤血球のヘモグロビンの合成にも必要な栄養素で貧血予防にも役立ちます。その他に
免疫機能の正常な働きの維持、皮膚や粘膜の健康維持、また、肝臓に脂肪が蓄積するのを防ぎ、肝脂肪の予防にも効果を発揮します。
〈パントテン酸〉免疫力向上 創傷治癒 抗ストレス作用
くわいには、ビタミンB群のパントテン酸が含まれています。パントテン酸は、糖質、脂質、たんぱく質の代謝とエネルギー産生に欠かせない酵素を補助する役割をしています。
その他に、神経中枢の発達を補助したり、傷の治りを良くする創傷治癒効果、皮膚や粘膜の健康維持、免疫抗体の合成、薬物の解毒作用、脂質の代謝を促す善玉コレステロールを増加、副腎皮質ホルモンの合成による抗ストレス作用とさまざまな働きで免疫力の向上に役立っています。
〈葉酸〉 成長促進 貧血予防
くわいにはビタミンB群の葉酸が含まれています。ビタミンB12とともに赤血球を作る、造血に大事なビタミンで、細胞の生産や再生に必要なDNAやRNAなどの核酸やタンパク質の合成を促進するので、細胞分裂盛んな胎児や乳児の発育には欠かせない栄養素です。
〈ビタミンE〉美容、老化予防 血栓予防
くわいにはビタミンEか含まれています。ビタミンEは強い抗酸化作用を持つ脂溶性のビタミンで、体内の脂質の酸化を防ぎます。
また、血液や血管を健康に保ち、赤血球の破壊を防ぐ作用もあり、動脈硬化や血栓の予防、血圧の低下、LDL(悪玉)コレステロールの減少、細胞膜を健全に保つなどの働きがあります。加齢による疾患の予防になり、老化の防止に役立ちます。
〈銅〉貧血予防 免疫力向上 美肌美髪 成長促進
銅は骨、骨格筋、血液などに存在しています。
銅は、血液の赤血球中のヘモグロビンを作るために必要な鉄を運ぶ役割をしている赤血球の構成を助ける栄養素で、鉄が十分にあっても銅が不足すると赤血球がつくれないため貧血になります。
また、銅は体内の活性酸素を除去し、酵素の正常な働きや骨の形成を助ける働きをしています。
〈亜鉛〉免疫力向上 創傷治癒 精神安定
くわいには亜鉛が含まれています。亜鉛は主に筋肉と骨中に含まれ、皮膚、肝臓、脳、腎臓、膵臓、前立腺など、全身の細胞内に存在しています。タンパク質やDNAの合成に関わる酵素の構成要素で、胎児や乳児の発育や生命維持にも重要な栄養素です。
また、亜鉛は体免疫力強化にも役立ち、細胞にダメージを与える活性酸素の除去や細菌やウイルスを防御する免疫が働くのに役立ちます。
その他にも創傷治癒効果、神経伝達物質の構成要素としてうつ状態の緩和や精神安定にも必要な栄養素です。
〈お正月、酒のお供にくわい〉
体内でのアルコールの分解には酵素が使われ、その酵素を活性化させるのが亜鉛です。
くわいにはアルコールの分解を助ける亜鉛が含まれているので、お正月にお酒を楽しむ方は、身体の為にも二日酔いの予防にもなるくわいは、食べる薬ですね。
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お正月の出世祈願くわいは、身体の免疫力を向上し、成長を促進する食材だったんですね。
出世には健康ありきと言う事でしょうか?
くわいで、健康になり、どんどん芽が伸びますように願いを込めて。
自然の恵みに
感謝♾合掌