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田舎娘トロント体験記(昔々のお話)③

さて、続きです。

ゆっくりと開く、リムジン運転席の窓、、、

ヤバい、、、、

爆弾雷と土砂降りの雨でまるで気づいてない振りをし、スピードを速め黙々とあるく田舎娘とワンちゃん。窓を開けながらついてくるリムジン。

もしかして、リムジンの後ろの席にはどこぞのお金持ちがいて、これはシンデレラストーリーのやつか?なんておバカなことを考えてみたり、、、

イヤイヤ、これはやられるやつだ、、、

なんて考えてたら、思わず運転手を見てしまった。目が合う。中東系男子。何か言ってる、、、もうどうにでもなれ!最悪、住宅街に入りダッシュだ!とりあえず、立ち止まり聞く。

「こんなところ一人で歩いてたら危ないよ!車に乗りな!」

はい、きたー!乗ったらやられるやつ!

「大丈夫!」とだけ言い歩き出す田舎娘とワンちゃん

しかし、中東系男子は諦めずについてくる。

「いいから、僕は安全だよ!雷も危ない!」てな感じで叫ぶ中東系男子。

雷がだんだん近づいてきてることに気づく私、、、土砂降りでずぶぬれ、おめかしして履いたサンダルで足が痛い、先はまだ長い、しかも明らかに街灯も少なくなってる、、、どうしよう、、、

また、立ち止まる。

「僕を信じて!君を助けたい!」

悪い人ではなさそうなんだが、、、とりあえず襲われた時の逃げるシチュエーションしてみる、、、その気になった振りして、頸動脈に噛みつき、股間、股間を蹴り上げよう!

「後ろに乗りな!」中東系男子

どのみち、雷に打たれて死ぬんだ(死ぬ前提)、、、言われた通り車のうしろのドアに手をかける。あ、、、ワンちゃん、、、、ワンちゃんはずっと私の隣で一部始終を心配そうにみていた。ワンちゃんとしばし見つめ合う、、、

「その人は安全だよ!」って言ってるみたいだった。

そして、ドアを開け後部座席に乗る。「ワンちゃんは君のかい?」

私は首を横に振り戸を閉める。

バイバイ、ワンちゃん。ありがとう、、、涙があふれた。

住んでる建物のすぐそばに24時間のドーナツ屋がある。そこまでを告げると動き出す車。そして、落ち着いて、手はドアに手をかけ逃げるポジション確保しながら車の中を見渡す。

初リムジ~ン!!!!

おーシャンデリ~ア~!!ライトもきれい~!スゲー!!!!!

中東系男子がずっと話しかけてくるが適当に返事をしながら、このまま、どこぞのお金持ちの豪邸に連れてかれるシンデレラストーリーにならないかな、、、なんてまたおバカ妄想する余裕すら出てきた。

そんなこんなで、ドーナツショップに到着。彼は笑顔で「ね、大丈夫だったでしょニコ」とリムジン会社の名刺を差し出し「何かあったら電話してニコ」

紳士かよ~イヤ、完全に神に見えたよ(泣)

私は彼に深くお礼をし、ドーナツショップでドーナツを買い寝床へ戻ったとさ。

次の日、ルームメイトのアナに怒られたのは言うまでもない、、、(泣)

神は試練を与えがち

でも、運が良いのかなんなのか

ワンちゃん、中東系男子よありがとう!!!というお話でしたww


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