たとえ叱られてもいい。自分を見てほしい。
25年間、
保育現場で0歳から6歳の子どもたちと関わってきましたが、
その中で
0.1.2歳の時期の大切さを痛感しました。
例えば、
1歳の子どもの姿を見ると、
0歳の時に、大人に、どんな関わりをしてもらってきたのかが
すぐに分かります。
そして、
その時に満たされなかったことは、その後も、ずっと影響するのです。
自分の素直な気持ちを出すことを抑えられた子どもは、
安心して自分の気持ちを出せる場所を、ずっと求めています。
また、その気持ちをストレートに出すとも限らないのです。
私が4歳児クラス担任の時に
転園してきたA君のお話をします。
A君は、人一倍甘えん坊なのに、
その気持ちを素直に出すのが苦手でした。
転園してきた頃は、
言われたことを、きちんと守る子だなぁと言う印象でしたが、
徐々に、その姿が変わっていきました。
お絵かきをしていると、
自分の紙があるのに
隣の席の友だちの画用紙に書いたり
友だちが平均台の上を歩いていると
平均台を持ち上げたり...
初めは、好きな女の子にちょっかいを出しているのかな?と
思っていたのですが、
日に日にイタズラの数が増え、
目に余るようになっていきました。
これは、ちょっとやそっとで解決する問題ではない。
「イタズラをする目的を探っていく必要があるな〜」
と感じました。
と言うと、聞こえはいいですが、
実は、ここに至るまでに数ヶ月もかかりました。
「なぜイタズラばかりするのか?」
「どうしたらイタズラをしないようになるのか?」
「私を困らせるためにやっているのか?」
A君と膝を付き合わせ、二人で泣いたこともありました。
一向に解決策が見当たらず、
A君の一日の姿を書き留めることにしました。
そして、数ヶ月が過ぎ..
A君のイタズラの姿に目を向けるのではなく、
A君のイタズラの目的はなんだろう?と
A君の心の方に意識をするようになった頃、
A君の心の声が、ハッキリ聴こえたのです。
『自分がしていることは悪いことはわかっているよ。
でもね、
先生に自分を見てもらうためには、どうしたらいいのか分からないんだよ。自分のことを一番に見てもらえるのだったら、
たとえ叱られてもいいんだ〜』って...