【すっぱいチェリーたち🍒】スピンオフ ②小室哲子
今日は寝坊せず、時間通りに家を出て、友美とおしゃべりしながら登校できた。
友美「お姉ちゃん、昨日の「HAI HAI HAI」桜井さんちょっと出てたのに、寝てたやろー。」
哲子「だって…眠たかってんもん。友美は最後まで見たんやろ?」
2人並んで、学校へ向かう坂道を登っている。
友美「見た!だって、朋ちゃんがチャンプやったから、見るに決まってるやん。」
友美の頭の中では、昨日の華原朋美のチャンプライブが映像化されているようで、すごく楽しそう。
幸せそうな妹の顔を見ると、ホッとする。。
だいぶ友美に助けられてる姉やわ…私。
——2人は学校の門をくぐり、笑顔でわかれた。——
後ろの入り口から教室へ入ると。。
千代子「哲子ぉ〜おはよう〜
どうしてたーん。
3日も休みやったから心配してたんよ〜」
哲子「あ〜千代子ぉ〜」
と、千代子の肩におでこを置く哲子。
千代子「大丈夫。」
片手で哲子の背中をポンポンしてくれる。
千代子「まだ時間あるから座って話そ。」
近くの椅子に腰掛けると、風歌と須賀美も椅子を寄せてきて、4人で座る格好になった。
壽賀美「なんかあったん?」
風歌(何も言わず心配そうに哲子の顔を見ている。)
哲子「ごめん。ごめん。ちょっと風邪ひいただけ。もう大丈夫。
それより、協力してほしいことがあるんやけど、聞いてくれる?」
3人はうなづいて、さらに椅子を寄せてきた。。
哲子「12/1に田梨木町役場にのど自慢くるやん!
あれに友美が応募したら通ってん。」
(3人はそれぞれ顔を輝かせて祝ってくれた。)
哲子「でね。衣装を考えてるんやけどー、ちょっと友美らしいところを出していきたいなぁ〜って思うから、千代子のよく行くレンタルショップに連れて行って欲しいねん。こないだ、かるた部覗きに行ったら、試合の練習してて、袴履いてたやん。真剣勝負の時の千代子、めっちゃかっこよかったもん。友美に似合う柄とか千代子の見立てでお願いしたいんやけどいいかな〜」
千代子「分かった…!」
哲子「でね。いつも私たち、放課後の屋上で練習してるんやけど、風歌にボイストレナーになって欲しいねん。」
風歌「えっ?私?」
哲子「風歌の透き通った声、こないだ聞いたもーん。」
(ちょっと考えている様子の風歌)
哲子「壽賀美もレンタルショップ一緒に行こう。可愛い着物や小物見て、気分転換しようよ〜。」
——キーンコーンカーンコーン——
始業のチャイムが鳴ったので、それぞれの席についた。
席を立って後方を見たら、宇利くんが阿久くんたちといつものようにふざけている。
哲子は廊下へ向かおうと黒板の前を通り際、級長の吉田と目が合った。
が、吉田はすぐに目を逸らし、ノートに何か書いている。
ふと見ると、吉田の足元に「MOMO」と書かれた消しゴムが落ちている。
哲子「それ、吉田くんの?」
吉田は、はっと気付き消しゴムを拾った。
拾う時にズレたメガネを直しながら、もう一度、目線を合わせてきたが、すぐに逸らし、何かノートに書き足したようだった。
哲子(…何?)
哲子は不思議に思ったが、気を取り直して、黒板の前を通り抜けて廊下に出た。
哲子「茶保先生〜」
茶保先生「どうした?」
哲子「前から気になってたんやけど、この本借りてもいい?」
茶保先生の机の上には先生が普段仕事でよく使う本が立ててあるのだが、一冊だけ反対向けて立ててある本があり、それが気になるようだ。
茶保先生「うん、いいよ。」
哲子「先生、ありがとう。」
哲子は学校で茶保先生に借りた本を、ベッドで読んでいたが———
ふぅわぁ〜〜眠い。。
寝落ちするかのように…
※TK「すっぱいチェリーたち」の間違いです。
朗読会で紹介しているseiji_aritaさんはこの方です。
《出演者》
千代子…チョコさん
風歌…八風さん
壽賀美…ららみぃたんさん
宇利…うりもさん
阿久…アークンさん
吉田…よしよしさん
茶保先生…ちゃぼはちさん
哲子/友美…TK
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《スタエフ・ラジオ番組》
『エリア☆ハピリィ』
DJ:TK
司会・朗読:小室哲子
詩人:seiji_arita
朝、哲子に声をかけてくれた千代子。
哲子が気分展開しようと誘った壽賀美
哲子が聞いた風花の歌声