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マネジャーから始まるしあわせバトンリレー

noteマガジン「介護現場のマネジメントとリーダーシップ100」
いよいよ100記事目です。

今回は、なぜ僕が介護現場のマネジャーに向けマガジンを書いてきたのか、その思いを語らせていただきます。

誰もが「しあわせに暮らしました」と生ききれる社会を目指して

介護現場のマネジャー育成は僕にとっての“目的”ではありません。
最終的に目指しているのは、年を取っても、病気になっても、障がいをもっても、誰もが最期まで「しあわせに暮らしました」と生ききれる社会です。

理想の社会に近づくための”手段”が、マネジャー育成です。

マネジャーから始まるしあわせの連鎖

僕が介護業界に入って20数年。その大半を現場のマネジャーとして経験を積んできました。ここ数年は、マネジャーの育成をテーマに自分自身が学びつつ、実際に介護現場のマネジャー育成をしています。

マネジャー育成をしているのは、経験があるという理由もありますが、一番の理由は、マネジメントの質が向上し、まずはマネジャーがしあわせになることで、誰もがしあわせ生ききれる社会へ向かう道になると考えたからです。

介護現場のマネジメントの質が上がると、事業所で働く職員の仕事の質が上がります。マネジャーはチームがうまくいくことでしあわせを感じる。職員はいい仕事をしてお客さまに喜ばれることでしあわせを感じる。
職員がいい介護をすることによって、介護を受ける人や、その家族もしあわせを感じる。

結果的に、みんながしあわせを感じるという考えです。

マネジャーを孤立させない

「マネジャーは孤独だ」と言われます。僕も長くマネジメントをしてきたので、その気持ちには共感します。

孤独を感じる要因として、身近に同じ立場の人がいない。相談できる相手がいないという点が挙げられます。

その気持ちがわかるからこそ、僕は育成者として「教える」のではなく「伴走する」スタンスを大切にしています。

伴走しても孤独感を拭い去ることはできないかもしれませんが、理解し合える人がいない、相談相手がいないといった孤立からは守ることができます。

たとえマネジメントがうまくいかなくても、あなたは素晴らしい

マネジメントの成功は、組織の目的・目標の達成ですが、その過程ではたくさんの困難に直面します。特に人間関係には、”絶対にうまくいく”方法は存在しないので、どれだけ慎重に正しいと思うことを実行したとしても、トラブルに見舞われることがあります。

トラブルを抱え、解決できない時には、自分の能力のなさを痛感し、自信をなくし、自分にはマネジャーは向いていないのかもしれないという考えが、頭の中を駆け巡ります。

うまくいかないことが続くと、自分という人間自体を否定したくなってきます。

僕はこころの勉強をしていたことがあります。
自分のこころを保つためです。

その頃に学んだことがあります。
たとえ仕事でうまくいかなくても、自分という存在自体はダメじゃないということです。
たとえ何もできないとしても、僕には愛される価値があるし、僕という人間は素晴らしいのです。

「自分には愛される価値がある」と信じることに理由はいらないし、「自分は素晴らしい」と思うことに客観的な根拠はいりません。

ただ、自分でそう思えばいいのです。

自分を大切にするから、他人を大切にできる

介護業界には、他人によろこばれることが自分のよろこびであるという精神をもつ人がたくさんいます。本当にすばらしい考えです。

でも、その精神が行き過ぎて、自分を犠牲にしてまで他人に尽くしてしまう人がいるのも事実です。僕も油断すると自分を犠牲にしてしまう思考の癖を持っている人間のひとりなので、ここからは自戒も込めて。

他人を大切にする気持ちはとても尊い感情です。
でもそれと同じぐらい自分を大切にしてあげてほしいのです。

もしあなたが砂漠の真ん中で、のどがカラカラで倒れそうだったとします。するとそこで少女に出会いました。その少女は顔がやせこけ肌がカサカサ、あなたと同じかそれ以上に苦しそうです。
その少女はあなたを見て、手に持っていたほんの少しの水をあなたに手渡します。「この水を飲んでください。飲まないと倒れてしまいますよ」と。
あなたはその少女から水を受け取ることができるでしょうか?
もし受け取ったとして、あなたは少女に対してどのような感情を持つでしょう。しあわせよりも苦しみを感じるのではないでしょうか。

自己犠牲では、他人が心からしあわせを感じることが、どれだけ難しいことかおわかりいただけたでしょう。

自分を大切にする人は、自分の大事な人やモノを大切にします。
自己犠牲マインドの人は、自分を犠牲にして他人を優先します。自分の大事な人を犠牲にして、自分のことを傷つける人を優先します。
その結果、自分が一番最後、自分の大事な人のしあわせが最後から二番目になってしまいます。

だから、あなたのことを一番大切にしていいんです。
そして、あなたの大事な人を二番目に大切にします。
そのうえで、みんなを大事にすればよいのです。

自分を大切にするのは、わがままになることでも、自分だけを満たすことでもなく、他人にしあわせを分け与え貢献するために必要な準備体操のようなものです。

ありがとう

あなたの大切な人にとって、あなたは大切な人です。
だから、あなたの大切な人のためにも、あなたにはあなた自身を大切にしてほしい。

自分を大切にする方法はいろいろあります。
たとえば、毎日「私は愛される価値がある」と声に出して、自分に言い聞かせるのもひとつの方法のです。

ただ、自己犠牲意識が強い人にとっては、少し大げさな表現かもしれません。
そういう人には、もっと簡単なことばがあります。
それは「ありがとう」です。

一日の終わりに、自分から幽体離脱する感覚で、自分を外側から客観的に眺めます。
そして、頑張った自分、今日も無事に生きのびた自分に、声をかけてあげてください「ありがとう」「よくがんばったね」と。

自分にありがとう
自分の大切な人にありがとう
そして、その周りの人にありがとう
です。

“ありがとう”の連鎖によって、「誰もが”しあわせに暮らしましたとさ”と生ききれる社会」に近づくと信じています。

この記事を読んでくれたあなたに、僕からも伝えさせてください。
ありがとうございます。


しあわせに暮らしましたとさ。
めでたしめでたし
と誰もが生ききれる社会へ

立崎直樹


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立崎直樹@めでたし〃
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