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H a p p a n o U p d a t e s - No.225

今月スタートのエストニアの小説集、訳してみて思ったのは、北欧の人々はマインド的に、意外に日本人と近いところがあるような。『沈黙の16年』(今回公開)は、とくにそんな感じがあります。

幻覚、それともリアル?!
メヒス・ヘインサー[エストニア] 短編小説集
メヒス・ヘインサー著 だいこくかずえ訳 
写真:Richard Walker他

メヒス・ヘインサー

1. 沈黙の16年 | Sixteen Years of Silence
友だちどうしでの喧嘩、家族間での言い争い、誰かに頭ごなしに罵倒されたとき、そういったとき、人はみな口をつぐみます。すると普段、いかに人間は言葉をやりとりして生きているかに思い当たります。つまりちょっとした異常事態です。この小説の主人公アートゥは、なんと16年間も、誰とも口をきかずに過ごしました。その理由は、大失恋でした。

今月から10回にわたって、エストニアの作家メヒス・ヘインサーの短編小説を紹介していきます。1973年生まれのヘインサーは、詩人として出発し、のちに小説を書くようになりました。これまでにエストニアで著名な短編小説賞を3回受賞、作品はヨーロッパの多くの言語に翻訳されています。
著者メヒス・ヘインサーについて
著者の写真:ELIC / Jüri J. Dubov

森で、子ジカたちと (1)
ウィリアム・J・ロング著『School of the Woods』より 
Mark Moschell:写真 だいこくかずえ:訳

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子ジカたちが知っておくべきこと II
深い森の中で偶然出会った子ジカたち。まだ生まれたてで何も知らない双子の子ジカは、著者ロングに警戒心を見せません。それどころか人間の手の塩気をなめたことで、未知の味にすっかり魅了されてなついてしまいました。そこに母ジカが帰ってきます。警告の声を激しくあげて、子ジカたちを自分のもとに呼び寄せようとしますが、、、、

今月のピックアップ | Choice of the Month
気持ちのいい暮らしの情景
アンドレス・レッシア・コリノ 
だいこくかずえ:訳

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旧サイト「文学カルチェ・ラタン」に掲載した新世代南米文学の作品から。1977年モンテビデオ(ウルグアイ)生まれ、文芸誌Grantaの「若手スペイン語作家特集」にも選ばれた作家です。
Photo by Jimmy Baikovicius(CC BY-SA 2.0)

□ 最近思ったこと、考えたこと(happano journal)
03.05/21 なぜ写真をとるのか(という間抜けな質問)
03.19/21 読者は少数。エストニアは小さな国だから。

オーストリア在住の写真家、古屋誠一が写真集を出したという記事を読んで、その写真集『Face to Face』について調べている中で、写真って何だっけ、という疑問が(今更のように)わいてきました。エストニアの方の記事は、今月スタートのメヒス・ヘインサーの作品との出会いや、翻訳の際の問題点などに触れています。

□ 葉っぱの坑夫からお知らせ

昨年、写真集『ノースウッズ 生命を与える大地』を出版した写真家の大竹英洋さんが、2021年度の土門拳賞をこの本で受賞しました。大竹さんは葉っぱの坑夫スタート当初に『動物の森 1999-2001』やフォトムービーを共につくった制作仲間ですが、最近の出来事としては、ウィリアム・ロングの本『オオカミの生き方』にまえがきを書いていただきました。毎日新聞のサイトに受賞のインタビューがあります。『動物の森 1999-2001』(今月のピックアップ)はウェブで一部がお読みいただけます。

Web Press 葉っぱの坑夫/エディター大黒和恵/editor@happano.org

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