フランスの作曲家モーリス・ラヴェル(1875〜1937年)は、『ボレロ』という作品でとても有名です。
タンタタタ タンタタタ タンタン タンタタタ タンタタタ タタタタタタ タン
本人はこの曲を代表作とは思っていなかったようですが、シンプルで風変わりで、アイディアがあり、マシンのようにも舞曲のようにも聞こえ、楽器の使い方が天才的、とラヴェルらしさに満ちた作品にみえます。
で、この「ラヴェルらしさ」とは何でしょう。
ここで紹介するアメリカの作家 コンガー・ビーズリーJr. によるファンタジー小説『小さなラヴェルの小さな物語』は、まったくのところ実話からかけ離れた、とんでもない飛躍に満ちたファンタジー小説です。
が、この小説に登場するモーリスは、たしかにあのモーリス・ラヴェルに違いありません。シャイで、生真面目で、冗談やからかいが大好きで、子どもや動物と仲良しで、勇敢なところもあって、ただ女性に対してはちょっと臆病な。
この小説のために絵を描きおろしてくれた、たにこのみさんのラヴェルも、表面的・形態的に似せているのではなく、彼の精神をよく表していて、これぞモーリス・ラヴェルという感じなのです。
ラヴェルを知る人、好きな人が読めば、クスクスと笑いがこぼれること請け合いです。
*タイトル画像は原典の英語版の表紙(右)と、日本語版の表紙
どのような本なのか知っていただくために、著者のビーズリーJr. のまえがきと、訳者だいこくのあとがきをここに紹介します。
小さなラヴェルの小さな物語
テキスト:コンガー・ビーズリー Jr. 絵:たにこのみ
訳:だいこくかずえ デザイン:⻆谷 慶
156 × 234mm、144頁
ペーパーバック(kindle版 ¥500もあります)
税込価格:¥1,320 2023年3月、葉っぱの坑夫より発売
*2021年8月〜2022年3月、葉っぱの坑夫のサイトで公開した同名の作品を再編集してペーパーバックと電子書籍にしたものです。ウェブ版はこちらです。
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