
H a p p a n o U p d a t e s - No.260
3月の葉っぱの坑夫の更新情報です。
・「オオカミと狼伝説』(ウィリアム・J・ロング)連載開始
・最近思ったこと、考えたこと
・新プロジェクトが進行しています
・『トーマス・ニペルナーティ 7つの旅』出版準備中
・ペーパーバックの本の価格改定(2月、3月)
タイトル写真:新プロジェクト「アフリカ新世代作家作品集」の協力者、ニイ・パークス
□ オオカミと狼伝説
ウィリアム・J・ロング著
3年ほど前に、同じ作者による『オオカミの生き方』という本を出版しました。ロングは20世紀初頭に、アメリカ北東部の森や荒野を長期間フィールドワークして、野生動物について多くの作品を書いた人です。オオカミを筆頭に、ビーバーやカワウソ、ヤマアラシやシカ、カラスに様々な鳥たち、スズメバチといった虫に至るまで、多種多様な生きもの生態をとことん観察して記録に残しています。
今回の「オオカミと狼伝説」は、少し違う趣向の作品で、オオカミという生きものが人々にどのように思われてきたか(恐怖の対象となってきたか)、そしてその印象の多くが、人間の「想像の産物」であることを面白おかしく伝えています。これも森や荒野でのロングの長年にわたるオオカミとの付き合いがあるからこそ、なのですが。
オオカミと狼伝説
【その1】 ミネソタの森で
【その2】 アラスカの鉱山技師
□ 最近思ったこと、考えたこと(happano journal)
02.29/24 生成AIと創作
03.16/24 4月の新譜 * フレッド・ハーシュ * ECM からピアノ・ソロ(ジャズというより......)
このジャーナルは、葉っぱの坑夫の活動や出版と関係あること、ないこと、両方のこと(そのときそのとき興味を惹かれたこと)を思いつくままに書いています。たとえば今回のフレッド・ハーシュは、活動とは特に関係もなく、名前さえ知らなかったのですが、リリース前に運よく聴く機会を得て、素晴らしい音楽体験をしたので記事にしました。生成AIの方は、やや活動や出版と関係があります。生成AIは最近、翻訳作業のよきアシスタントとなっていて、そうそう、フレッド・ハーシュの記事の英語版(Medium)は、DeepL翻訳の手を借りて完成させました。
□ 新プロジェクトが進行しています
5月スタートの予定で、新しいプロジェクトを進めています。実は去年の終わり頃から取り組んでいたのですが、なかなかうまく進行せず、この3月になってやっと目処がつきはじめました。
テーマは現代アフリカの作家と作品。仮のタイトルは「アフリカ新世代作家・作品コレクション」です。新世代とは?
海外文学は日本では長らく低迷していて、多くの読者を得られていませんが(韓国文学を除いて)、欧米作品はまだしも、それ以外の地域、南米やアフリカといった国々の作品は、作家も作品も、旧世代の知名度の高い人しかほぼ注目されていません。
しかしここ10年くらいの間に、アフリカ出自で第2言語である英語で作品を書く作家がたくさん出てきました。現在、20代、30代、40代…などの作家たちは、「飢えや貧困や内戦」ではなく、わたしたち(欧米とその影響下にある国の人間)と同じ、今の時代を生きる人間が抱える切迫した問題と向き合い、そのことについて悩み、戸惑い、考え、それを作品に記しています。
その書法やスタイルは、リアルなものからスペキュレイティブ(空想的)な作風まで、広範囲に及びます。
この企画を実現に近づけてくれたのが:
ガーナの詩人・作家のニイ・パークス氏です。今おもしろい、優れた新進作家のセレクションに手を貸してくれました。
10年前に彼の小説『青い鳥の尻尾』を日本語に訳した縁で、その後もたまにメール交換などがあり、今回協力を得ることができました。ニイはアフリカ文学のケイン賞の審査にも関わり、ガーナだけでなく、アフリカ全土の作家を非常によく知っています。
この新プロジェクトについては、追ってまた詳しく報告したいと思います。
□ 『トーマス・ニペルナーティ 7つの旅』出版準備中
2022年6月から2023年9月まで、note上で連載していたエストニアの小説「トーマス・ニペルナーティ」(アウグス・ガイリ著)を、ペーパーバックとKindleで4月上旬に出版する予定です。詳細はまたnoteのジャーナルでお知らせします。
□ ペーパーバックの本の価格改定について
先月につづいて、紙の本の販売価格を一部変更しました。2023年9月のアマゾンKDPの印刷コスト値上げによるものです。
変更のあった本は以下のものです。
クエルボ兄弟:南米新世代作家コンピレーション(2)
1,210円(税込)を 1,375円(税込)に変更
小さなラヴェルの小さな物語
1,310円(税込)を1,540円(税込)に変更
以上です。Kindle版の価格は変わりません。一律550円(一部330円)です。
Web Press 葉っぱの坑夫/エディター大黒和恵/editor@happano.org