[図書館が出来るまで③]3つのスケールで構成する

 どーも、よーたです。今日は前回の3つの記事の復習と今、私が行っている図書館の設計にどう繋がっていくのかを解説していこうかと思っています。

時代背景と都市計画から今を考察する

前回の3つの記事で時代の流れとコミニティと建築の関係を個人的な見解を述べました。

2000年代を「都市」の時代として、2010年代を「個」の時代、これからは「集落」の時代と、考えたとき、どのように、コミニティが変化して、建築にはどのような変化が起きるのかを書いています。

これからの時代のサードプレイスとは

 上記のような時代背景と建築の関係は当然この図書館にも影響します。そこで、この図書館に落とし込むために2つの時代の変化を紹介します。

建築の変化
都市の時代:都市に人を集めるような都市計画が求められた
個人の時代:ガラスなどで周囲と繋がり/開かれた建築
集落の時代:地域規模でのエリア開発
コミニティの変化
都市の時代:地域のコミニティが徐々になくなり、会社が重要視される
個人の時代:時間的な余裕が増える。オンラインのコミニティの誕生
集落の時代:さらに、時間的な余裕の増加。自己研鑽のコミニティが増える

 このような変化の中で、次の時代である”集落の時代”の要素をこの図書館では、反映させていきたいと思っています。

図書館の課題の復習

 ここで、一端、僕自身の図書館これまでの状況を一度振り返ろうと思います。詳しくは、したの概要欄から見てみてください。

1.図書館の”意味変”
 このインターネットが普及し、情報があふれかえる時代に、情報を集めるために、地方の小さな図書館に訪れる人はいません。なぜなら、図書館よりも自分のてもとにあるスマホの方が情報を多く持っているからです。

知識の集積

・知識を知るきっかけ
・ローカライズされた情報で地方の情報の入手を容易にする
・本自体の情報から人々が使った痕跡などの情報の方が重要

そこで、図書館の機能を上のように変換させてました。

2.機能の意味変によるデザインの変化
この意味変によって、人々が求める機能が変化していきます。その結果、図書館のデザインには

1.本を災害から守る
2.様々な人が訪れやすい
3.クリエイティブ空間と歴史コーナーをプログラムとして設ける

上のようなデザインが必要になってくると思いました。

 ここで、課題が生まれました。それは、川沿いに面したこの土地は水害から本を守る必要があるため、地上から3m以上は上空にあげる必要があります。一方で、隣の公園で遊んでいる子供、この地域で最も多い50代~60代の高齢者。この両方が訪れやすい図書館にしないといけません、

つまり、本から守るために、都市スケール(地面レベル+3m)で、地上と断絶しながらも、あらゆる年代の人が図書館に興味を持ち訪れやすくするため、身体的なスケール(子供なら身長の半分60cm)で地上と繋げないといけません。

“都市“と“集落”と"身体"の3つのスケール

 この課題があるのにも関わらず、時代背景から読み解いた建築とサードプレイスの変化により、集落的なスケールをこの図書館には必要となってきます。

つまり、

災害などの対策としての都市的なスケール
あらゆる人を繋ぐための身体的なスケール
コミニティを形成するための集落的なスケール

この3つが”並列的”に”まざりながら”存在する図書館を作る必要があります。今はまだ、この3つのスケールを混ぜたり、融合させたり解決するための方法は思いついていません。そのため、次回は、この三つをスケールの課題を解決するために、色々な案を片っ端から試していこうと思います。

時間というスケールを解決する大きさというスケール

今回は3つのスケールという課題が出来るまでを説明してみました。割と楽しく考察することができました。

 しかし、以前の記事を読んでみて気づきましたが、何百年と歴史を守っていく、とても大きな時間間隔。一方、子供が公園から図書館に行くまでという、とても短い時間間隔。この2つを同時に成立させるために、都市スケールと身体スケールの融合が必要だと気づきました。

 つまり、同じ建築の中で流れる、異なる時間軸を融合させるために、大きさが異なるスケールの融合が必要なのだと、

 時間をデザインするということはこういうことを言うのかなと少し感じました。

次回は、3つのスケールを解決するためにひたすら案出ししていきます。

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