[隈研吾から学べ①]小さな建築とは
どーも、よーたです。 今回は僕が大学の課題を作っていく中で、「人に寄り添った建築」を考える機会があり、その際に隈研吾の独特の思考が使えるかなと思い、調べてみたので紹介してみます。
隈研吾の建築
隈研吾の建築といえば、木を使ってなにがなんだがわからないモノを作っているイメージの人も多いと思います。しかし、
「人に寄り添っていないハコモノ建築に対する批判」
「人に寄り添った新たな建築の摸索」
の結果だと思います。
都市の視点から作られる大きな建築
現代の建物は人の生活に寄り添っていないと私は思いました。その最たるものは商品化住宅かなと思います。人にはそれぞれの生活があるのにも関わらず、なぜか均質な〇LDKという単位が指標になっています。毎日、Uber eatsを使う人は当然キッチンはいらないです。ある種、個人個人という人の視点から作っているわけでなく、大衆に万人受けして人を集まることのできる都市の視点から作られています。その結果、どこにでもあるようなハコモノ建築の増加を生みます。
人の視点から作る小さな建築
これを打破するためには、LDKなどの大きな単位で建築を作っていくのではなくもっと小さな単位で建物を作っていく必要があります。
小さな単位を「積む」
建築におけるもともとの小さな単位は「煉瓦」でした。ヨーロッパの有名な建築もこの煉瓦を積むことで作っています。この煉瓦があることで、巨大な壁やドームというものを作ることができるし、小さなものを当然作ることができます。
しかし、この煉瓦には決定的な弱点がありました。それは「変わる」ことができないのです。煉瓦で作っていくと最終的に、コンクリートで固めないといけません。そうすると、変えることができません。
そこであらわれたのが、隈研吾が新たな小さな単位として使ったのがウォーターブランチです。
上の写真がそのウォータブランチです。これを簡単にいうと、工事の時に使うウォータブロックをレゴブロックみたいに組み立てるようにしたものです。これにより得られるメリットは大きく分けて2つです。
1.水を抜くことで軽くするコトができる
2.コンクリートなどで固める必要がない
これによって、小さな単位で建築を作っています。本では隈研吾はこの先にこの溜めた水を循環させることで「自立する建築」を作るといっていましたが、今回は飛ばしていきます。
この積むで、僕が個人的に重要だと思ったことは
人間がハンドリングしてできる大きさで構築することで家具などに頼らずとも建築は身体に寄り添っていくことです。
隈研吾はこのウォータブランチをつかって住宅を作っています。ここでは、キッチンなども建物の一部となっています。
もたれかかる
小さな建築を作っていくうえで、平原に作っていく場合、手っ取り早いのは小さなものを積んでいくことです。しかし、そこに何かしらの大きなモノがあれば、小さな建築はそこにもたれかかりながら寄生して成り立っていけます。
例えば、上の写真は投入堂です。日本の鳥取にあります。まさに、山にもたれかかって建築がなりたっています。そして皆さんがきになっているのは隈研吾はどのようにこの「もたれかかる」を解いたかですよね。
上の写真は慶応義塾大学の森の休憩所です。木にもたれかかりながら成り立っていることがわかりますね。
この小さな建築の特徴は木と木の接合部です。この接合部分をボルトなどで固定してしまうのではなく、しなやかに動くようになっています。新建築にも乗ったので、ぜひ詳しく見てください。
さらに、上の写真にもある浅草観光文化センターも「もたれかか」っています。この浅草観光文化センターは五重塔のように屋根を重ねてつくっています。この屋根が庇(ひさし)を作り借景のように周囲の風景を切り取っていきます。この庇を作りだした斜め部材はもう1つの斜めの部材と支え合いながら成り立っています。
大きな建築を分解し、屋根のある小さな空間を複数つくる。この小さな空間はもたれあいながら積み上げていくことで周囲の風景とつながった広々しあ空間となる。
小さくすることで、どこまでも大きな空間となっていく。小さな建築の奥深さをかんじますね。
本ではこの先に「織る」「ふくらます」などをして小さな建築を解説しています。是非、読んでみてください。
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