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モナコインの現状分析(2023年版)

この分析はモナコインを取り巻く環境や保有者の分析です。
コインそのものの分析ではないので最初に書いておきます。


■環境

  • 日本以外の大手取引所では取り扱いがない

  • 開発者は運営者ではない

  • 運営がいないのでプロジェクトによるマーケティングはない

  • 公式ページはあるが特に情報発信はない

  • 情報はプロジェクトとは全く関係のないアフィリエイトブログやSNS、インフルエンサーから発信される

  • 取引所への上場は保有者が取引所と交渉するか取引所の判断で上場される


■保有者

  • 2014~2017年あたりは10万枚程度(30万円くらい)は簡単に保有できた

  • 2017年末に2000円台をつけそこからは一貫して下落基調、保有者は入れ替わった。

  • 2018年ごろから参加した保有者は悪材料多数で常に含み損との闘い

  • 2019年にはZAIFが復活し悪材料出尽くしにて大きな出来高をつけ50円くらいで反発

  • 2020年ごろに非常に大きな出来高を伴い価格が乱高下し200円~400円にかけて保有者が大きく入れ替わった。

  • 2020年ごろからの保有者はほとんどが海外取引所コインベースやバイナンスに上場することを目的(=EXIT)に購入している。

  • 2021年5月ごろには実際に海外上場を目指し保有者が中堅の海外取引所CoinEXと交渉し上場させ、その後bitrueなど中堅の海外取引所が連鎖して上場し成功したかのように見えた。しかし保有者間のいざこざで交渉していた人が嫌気をさしやめてしまう。

  • 2021年にはビットコインの価格が700万円になり、同時にモナコインを保有していた人は損益通算で税金圧縮のため損切。大口かこれを行った保有者が多かったのかわからないが枚数が多かったので、その損切で150円を割る。そのまま下落トレンド入りへ。

  • 2022年末に50円を割ったがバイナンスが日本に進出し買収元がモナコインを扱っていたため思惑が再燃し再びモナコインが買われた。

  • 2023年は90円程度まで価格が上がったがレンジを構成した。それはバイナンスジャパンの材料が出るたびに上下を繰り返した。

  • サクラエクスチェンジの保有者による強制決済も発生し需給がより悪化した。

  • 2023年8月にバイナンスジャパンが取り扱い通貨を発表したがそこにモナコインがないと一気に売られ、出来高が消滅した。

  • 半減期が近いが、半減期ネタでモナコインが取引されることはないことが露呈してきた。

  • 11月に半減期が来たが特に取引に影響はなかった。(多少出来高は増えたようだ)

上場用のモナコインの組織を新たに立ちあげたら既存の保有者と対立することになった。昔からの既存の保有者は海外上場を望まない人も多い。


■バイナンス上場への思惑

  • モナコインは他の上位銘柄に比べ時価総額が小さい

  • 多くの日本の取引所では上場しているが時価総額は低いまま

  • 最大の取引所に上場すれば時価総額が大きく上がるはず

  • コインベース、バイナンスにモナコインの価格ページがあることが噂になる(これは上場とは一切関係ない)

  • SNSやyoutubeを検索するとモナコインはバイナンスへの上場を前提に紹介されている(モナコイン、バイナンスで検索)


■バイナンスジャパンの発表

日本独自の銘柄を選定する方針でBinance本部の合意を得ているとも付け加えた。銘柄を選定する際の基準としては、プロジェクトのエコシステムの成熟度とコミュニティの規模が重要な要素となる。特に、初期段階よりも既に一定レベルの成熟を見せているプロジェクトが選定される可能性が高いという。

https://coinpost.jp/?p=479791
Binance Japanが国内戦略を発表、「Web3普及とステーブルコイン事業」に注目

一言で言えばモナコインはバイナンスの上場基準に達していない。

グローバルになく日本独自の銘柄を選定すると発表したが、基準からは日本独自の銘柄はモナコインであるとは言い切れない。
よくクールジャパンなどとして日本独自といえるものはアニメや漫画とよく言われるがバイナンス名義でCOTのコスプレイベントに協賛していたことが以前取り上げられた。
モナコインは日本の銘柄ではあるが保有者のほとんどがバイナンス上場がゴールと考えておりコミュニティが成熟しているとは考えることは難しい。
コインそのものもBITCOINからのフォークコインであるため日本独自と言い切るには難しい。モナーというキャラクターは日本独自ではあるが。
エコシステムについてもTwitter(現X)をベースにしたものが多かったため環境変化によりほとんどが消滅してしまった。
環境変化といえば規制による対象と思われるモナッピーも音信不通である。
中央集権的なサービスが主体であったので環境変化にとても弱かった。
現在コミュニティとして残っているものはモナコイン神社信仰やモナカード交流くらいではなかろうか。(人数にして100人いればいい程度か)

初期段階からの成熟が何を指すかはわからないが外形的に見え比較可能なものはブロックチェーンや取引所ではないかと思われる。
コインの分散やアドレス数、トランザクション数は見られていると思われるが取引所の出来高なども見ているのではないかと思われる。
モナコインはアドレス数は増えていないし、ほぼすべてのモナコインは取引所のアドレスに保管されている。送金需要は少ないのでトランザクション数も多くなく、出来高もバイナンス関連の話題の時に増えるくらいである。

2023年9月の段階では74,244,422MONAが取引所で保管されている。
74244422/92000000*100=80%
80%が日本の取引所に現在も保管されていることになる。
残りの20%は海外の取引所と個人のウォレットである。

https://jvcea.or.jp/cms/wp-content/themes/jvcea/images/pdf/statistics/202309-KOUKAI-01-FINAL.pdf


■バイナンスジャパンのAMAで発表された銘柄選定の基準

  • バイナンスジャパンのAMAで日本の銘柄選定の基準について具体的に発表した(9:50近辺)。

  • GameFiやweb3を使ったプロジェクトの企業とパートナーシップを組みそのトークンを扱っていきたいと一例を出していた(14:00近辺)。


■コインの価格が上がらない原因は何か?

一言で言えば流動性がない。
バイナンスに上場しない限りコインが動かないので硬直化している。
コインが動かないので話題も生まれない。
コインが動かないので商売も生まれない。
コインが動かないので受け取る理由が生まれない。
急騰しても以前の高値で購入した層の売りに押される。
保有している人の理由からすれば取引所の外に出す理由がない。
ビットコインのように価値の保存に使われているわけでもないので定期的に購入する人がいない。
動かないコインに価値は付かない。
ブロックチェーン上で動かないコインをバイナンスはおそらく上場しない。
ミーム系のコインは熱狂で徐々に大きくなっていくのでバイナンスに上場するコインなのであれば下位の取引所であるOKXやHuobiですでに上場しているはず。

もともと投げ銭に使われることで発展してきたコインだが
投げ銭ボットもなくなり、取引所からもコインが動かないので投げ銭にも使われなくなったのが実情なのではなかろうか?
人が集まり話題性を作り出すMonappyも消えてしまった。

簡単に投げ銭として送り付けることができるため、niconicoなどでよくある「振り込めない詐欺」問題を解決する手段となるかもしれない。

ちょっとしたスパイラルにはまり込んでしまっているように見える。
バイナンス上場期待ー>上場するまでガチホー>コイン硬直ー>コインが動かないブロックチェーンを見たバイナンスは上場検討しないー>ループ

コインを動かすためのエコシステムは今ではモナカードで使われているMpurse + Monapartyしか残っていないのでそちらが成長しないのであればコインはさらに硬直化する。

コインの価値が上がらないと受け取ってすらもらえない例がある。価値を認識できないからだ。
モナコインで投げ銭を受け取れるゲームサイトがあるがほとんどのゲームが投げ銭を受け入れていない。コインが動かないからそもそも投げ銭がこないか、金額が低すぎて受け取る理由がないかだ。よくわからないという層もいるかもしれないが。

クラウドファンディングのような投げ銭サイトもあるがほとんど活用されていない。誰も見ていないという説もある。


いろいろ理由をあげましたが価値があがらない要因は主に二つあるということです

  • バイナンス期待でコインが硬直化している

  • 投げ銭に使われていたエコシステムが完全に崩壊し価値が移動しなくなった

コインが硬直化するとブロックチェーンが成長しなくなるので(出来高を見込めないので)大手の海外取引所は見向きもしない。

昔であればエコシステムが無ければ作ればいいとモナコインを使って投資されたりもしただろうが今の保有者はそこまでするのだろうか?

新機能のSegwitを通すために行われた投資の痕跡。

Monapartyへの投資の痕跡。

Mpurseへの投資の痕跡。

https://monalist.komikikaku.com/list/rABpjjJakcXkd9zwwjvUoUG68JgiDK42AM


こちらによい記事があります。ここに書いてあることは昔のモナコイン保有者は実践していたということです。

ここで言いたいのはMONACOINは運営者やマーケティングをする人が一切いないのと、過去のエコシステムがほとんど崩壊したので保有者がMONACOINを使ってなにか行動を起こしていないと何も起きないという話でした。

バイナンスへの上場も保有者は誰も交渉していないと思われるのでブロックチェーンの状態がバイナンスが上場したいと思う状態になっていないと検討すらされないのではないかということです。

保有者が入れ替わるタイミングがまた来るのであれば状況も変わるかもしれないですが。(=出来高を見ておきましょう)

bitbank MONA/JPY


■物語がない

モナコインには物語が不足している。
モナコインといえばバイナンスになってしまっている。
2019年ころまではたしかに物語があった。それはいろいろなところに情報が残されているので確認できる。
2020年以降は価格とバイナンスへの思惑しか見つからない。

イーサリアムといえばDeFi、GameFiなど数々の話題がある。
話題を体験するにはウォレットに入れてブロックチェーンを使う必要がある。イーサリアムはイーサリアムでしか体験できない物語が作られている。

モナコインはなにか体験ができる話題が現状見当たらない。
モナコインを使ったプロジェクトはいくつか出ているが保有者は誰も興味がないのか話題にすらならない。
モナコインを購入してバイナンスの上場を待つ、それで終わりなのである。
モナコインとは何かと問われても現状では過去に行われていた投げ銭や使われてすらいないアトミックスワップなど現状では存在しない情報が出てくるだけである。現状モナコインのネタが出てくるとしても過去に暴騰した価格と現在暴落して低い位置にあるという情報だけで過去にあった暴騰がもう一度あるのではという文脈で出てくることが多いです。
投機的な思惑では上がったらすぐ売り抜けるゼロサムなので上がっても結局価格は戻ってきます。
そうやって損失が積み上がり上値が重くなってきた経緯があります。
モナコインを擦りまくってブームを起こせるような人たちはもういない。

■海外で需要がない

1.Bitrue

https://support.bitrue.com/hc/en-001/articles/19158757075609-Delisting-of-Multiple-Assets-from-Bitrue-2nd-June-2023

中堅の海外取引所に上場してもほとんど出来高がないとそのまま上場廃止してしまう。
出来高を出せなければ上位の取引所が興味を持つことはない。

上場期間:2021/03/26~2023/06/05

2.bittrex

モナコインの初期から現在にかけて上場していた海外取引所Bittrexが会社をたたんでしまった。
昔はCoincheckの仕入れ先として機能していたが国内の出来高も減りBittrexもそれに応じて出来高が激減してしまっていた。
需要もない中、上場廃止もせずにいたが経営が成り立たなくなってしまった。(経営はモナコインが原因ではないが)

上場期間:2014/04/19~2023/12/04

3.UPBit

韓国大手の取引所、UPbitにも過去に上場していた。
Bitrueと合わせてみると出来高が無い場合二年くらいで上場廃止してしまうようだ。

上場期間:2017/12/05~2020/02/28

■モナコインにファンダがあるとしたら?

  • モナコインを自分のウォレットに保管する人が増えアドレス数が増える

  • モナコイン上のアセットの取引量が増える=トランザクションが増える

  • 中堅~大手の海外の取引所に複数上場される

  • 価格がマイニングコストを上回り、ハッシュレートの増価と入金の承認回数が改善される

  • 取引所間の送金に使われるようになる

  • モナコイン上のライトニングネットワークが発達する

  • モナコイン上で活動する人が増える

  • モナコインを活用する企業が増える

なんでもいいから何かに使われるようになって常に必要とされ需要がある状態になること。
暗号資産はあまりにもたくさん作られ暗号資産というだけではすでに価値は無いため埋もれてしまわないように、なんらかのブームが起き価格以外の話で盛り上がる必要があります。

■モナコインの価格構造


bitFlyer MONA/JPY


100円に明確な壁があります。
100円より上は2019年から3年間にわたって購入された含み損を抱えた膨大な保有者が多くいます。2017年以前のものは2017年後半と2020‐2021年あたりで利確されているでしょうから発行済み数量のほとんどはそこで購入されているでしょう。
100円~300円でついた出来高をみるとそのほとんどが損切されていません。
価格は1/2~1/6の幅で損失を抱えているはずです。
それが市場に出てこないので板が薄く出来高もありません。
2022年後半から相場が落ち着いているのは損切された一部のコインと新しくマイニングされたコインだけに限定して流通しているから板が薄く品薄感が出ていることです。50円台はマイナーしか売ってこないのでそこから下はほぼ下がらないので少ない資金でも動かせるから投機の買いが入ってきます。
(マイナーの売りは一日約60万円、半減期後は約30万円)
板が薄いので先物取引の板のように一定の価格帯までは少ない資金で動かせます。
売り手がいないので新しく損した人がいない価格帯までは値動きが軽いです。上がると利確と損切の売りが出てくることになります。
そういった値動きも長くは続かずいづれ何らかの理由で損切してくる保有者も出てくるでしょう。(ビットコインや他のアルトコインを持っていて利益確定のついでに税金を圧縮するために損切する場合が多いと思います)
100円超の動かない膨大な量のモナコインが何らかの理由でどこかで動き出すことがないと取引も活発にならないし話題も消えていくので価格を気にするよりも出来高を気にしたほうが良いと思います。
現状価格はだいぶ低いので膨大な量の損切が出てきても買い手がいれば大暴落することはないのでやはり出来高を見ておくのが良いということになります。
値上がりして出来高が付けばよいのでしょうが現状価格以外誰も興味を示さず、需要を起こすブームも来ていないのでそれは難しいのかと思います。
価格だけを語るなら損した人のいない新規のコインのほうが値動きが軽いのでそちらのほうが簡単でモナコインのような価格帯が決まってしまったコインはどうしてもレンジ売買のゼロサムゲームになってしまいます。
レンジ売買では往復回数も多く儲けやすいのかもしれないですが、新規に購入する人はおそらく100円超を夢見て購入していますからそういう人たちは鴨られている気がしてしまいます。
大きな出来高が付けばおそらく価格帯の枷が外れるのでそういったところを見ておくとよいのではないかと思います。
出来高が付かない場合はこのまま埋もれていってしまうかもしれないですね。モナカード愛好家だけがモナカードを購入するときにだけモナコインを購入しモナカードを販売した人が換金するためにモナコインを売るだけの知る人ぞ知るマイナーコインの一種と。
この項でいいたいのは出来高による調整が終わってないということでした。

価格帯の枷についてはもう一つ仮説があってモナカードやモナキャラット、XMPなどのモナコイン上のアセットに値が付くようになればもしかするとそちらを購入するためにモナコインが買われるなどの可能性は無くはないですが、モナコインは短期的な価格にしか興味を持たれていないためモナパーティ上の資産に資金が向かうことは無いのではないかと思います。

■まとめ

モナコインそのものは特にネガティブな要素は無いように思いますが、保有者がモナコインを使ってなにかするわけでもなくガチホして価格以外に興味がないのでモナコイン上のコンテンツが何も育たないという分析結果になりました。
保有者が望む海外取引所への上場もモナコインの需要を起こせるコンテンツが作られないと海外での出来高増加を見込めないので取引所の上場基準を満たさないという分析結果になりました。
取引所がミームコインを上場させるときはホルダー数(アドレス数)、DEXや上場済みの取引所の出来高を参考にするのでERC20とは違って汎用ウォレットやDEXがないネイティブ通貨は不利に働きやすいですね。

暗号資産過多の時代のネイティブ通貨は、モナコインを使うと何ができるのか?それって他の暗号資産でも出来るのでは?という問いを答えられるような状態になっていないと海外では需要を起こせないと思います。イーサリアムエコシステムに属さない上に知名度が無い状態で紹介するにも他のコインにはない優位性を説明することできない。

2024年版も分析してみました