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カレーですよ4291(京都二年坂 カレー倶楽部ルウ 清水寺二年坂店)京都で麻婆カレーでしかもハラール。

カレー倶楽部ルウの麻婆カレーはずっと食べたかった。割と本気で切望していたのだ。

カレーですよ。

ここ2年ほど中華カレーが話題に上ることが多く、その中で麻婆カレーという区分けができた。もともと変わりカレーとしてぽつぽつと存在していた麻婆カレーだが、その存在感がグッと強くなったタイミングがある。

それが宮崎都城市の「カレー倶楽部ルウ」が麻婆カレーをメニューに入れてからだと感じている。

上手なメディアミックがあったり折からのカレーブームがあったり。そして大阪に出店した「カレー倶楽部ルウ 清水寺二年坂店」で麻婆カレーが大阪の有名食ブロガー、M三郎さんに大きく取り上げられたりと数々の追い風を受けて、特に関西地区で麻婆カレーが脚光を浴び、という早い流れを目の前で見せられた。

が、しかし。

都内にカレー倶楽部ルウはない。我慢を続けたが、辛抱たまらず一番近いカレー倶楽部ルウである京都二年坂の店に出かけることにした。今回の京都行き、そういう旅となった。

「カレー倶楽部ルウ 清水寺二年坂店」

ここが戦略の塊とも言えるすごい店なのだ。

カレー倶楽部ルウ 清水寺二年坂店は清水寺参道の二年坂中程にある。メインストリートを一本入った静かな細い路地の奥。シックな店だ。景観に配慮した黒い板塀とナチュラルカラーの木の内装。白い提灯と相まっておよそカレー店らしからぬ穏やかなトーンの店。

店内、カウンター数席に大テーブルも同じ程度とコンパクトな店だが、2階建てとなっている。その2階部分にこの店のキモがある。

2階には座敷の席が一つと、あともうひとつ。礼拝室が設けてある。そこはムスリムの人たちがお祈りをする清らかな場所なのだ。きちんと手足を洗う洗い場も抜かりなく設置。大変に素晴らしい。

そして提供するメニューはハラールフード。つまり普通の顧客ももちろんのこと、インバウンドで多く流入するイスラミックの人々の食事の苦労を救おうという社会的意義を持った目的もある。

京都、インバウンド、ムスリム・ハラールフードとこのキーワードの強さと言ったらない。取り組むべきポイントが非常に明確で、それがきちんと形になっているのに感心させられる。

色々なところから話は出ているが、こんなにきちんと形にしている店はそう多くはない。素晴らしいことだ。

さて、食事。迷うこともなく、

「京豆腐の麻婆カレー」

これがまたいいカレーだった。

ひと口目から花椒塩の香りが強く華やか。痺れの具合が実にバランスよい。

味のバランスはカレーよりも少しだけ麻婆豆腐が勝つ感じで、オリジナルルーの酸味とのマッチングで違和感がないのがチャームポイント。これ、本当にうまい。実は「カレーではないのでは」という意見もあるかもしれないバランスなのだが、そこに妙味がある。クラシックな福神漬けの甘い味も相まってこれ、本当にとてもいい。

二つの料理の掛け合わせであるのだが、きちんと調理、融合があって一つの料理、メニューとして完成度が高い。
よい意味でのギリギリカレーと麻婆豆腐の境界線の上にある料理だ。どちらであるという話はナンセンス。このひと皿がとてもうまい。うまいからみんなが幸せ。それだけで、それでいい。

もちろん偉大な定番にして看板メニューのチキン南蛮カレーも相変わらず最高の仕上がりで言うことなし。
食べたばかりだというのに宮崎の本店に行きたくなってきた。

あの黄色いマスクの男に会いたくなってきた。

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