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カレーですよ4351(御徒町 ヴェジハーブサーガ)やっぱり野菜がすき。

きのうのテレビの影響か、湯島のデリーには行列ができていた。もちろんそれはいつものことではあるが、やはりどうもいつもよりも列が長い。

カレーですよ。

長さよりその落ち着きのなさがちょいと引っかかる。やっぱりテレビであろう。今日はインドがたくさん売れるのであろう。さて。

そんなこんななので、別のところへ。
上野、御徒町界隈はいろいろと代替えがきくので助かるのだ。デリーを代替えするとなるとなかなかむつかしいのだが、ラホールという手もある。
いや、そうじゃないな、今日は。最近意外と積極的に行っていなかったインド料理としてみよう。お肉より野菜。御徒町界隈はインディアンベジの集中する地域なのだ。

その名もそのまんまのベジキッチン、錦糸町からやってきたベヌスもある。アーンドラキッチンもよいベジが食べられる。で、今日はあの地下のお店。

「ヴェジハーブサーガ」

ちょいとランチタイム終わりかけの14時20分くらい。まあ15時クローズだから遠慮なく入る。ほら、お客さんもたくさんだ。注文は、

「3currys in B set」

3種のカレーを選べるシンプルなセット。

6種ほど用意された日替わりのカレーから3種、それにサラダとごはんかナーン、ドリンクがつく。
もう少しおかず類などつけたい人はミールスを選ぶと良いだろう。

さて、カレー。

ベジコルマ

カシューナッツペーストで深い旨味を作った、小さく刻んだ野菜の柔らかな食感嬉しいベジタブルコルマ。カシューナッツペーストのコクと、これはトマトからであろうか。酸味との組み合わせでどこかチーズを思わせるニュアンスをちらりと感じる。
マイルドで野菜の旨味とリッチなカシューナッツの味わいがしあわせな贅沢カレー。

キャベツマタール

汁気少なくドライタイプで仕上げたキャベツとグリーンピースのおかず。ポリヤルの類ということか。キャベツ、グリーンピースの自然な甘味がよく出ていてたまらない。こういう味がいい。
野菜、いいねえ、と心から思う味。カレーではなくてお惣菜という風情。日本の食卓にあってもまったく違和感がないと感じるはずだ。これはよいもの。

ダムアルー

ダムの名前がある。長時間の密封加熱という調理法であったはずだ。ビリヤニを蒸して炊くあれだ。
これ、初めて食べたが酸っぱくて辛い刺激的な仕上げのグレイヴィソースでちょっといい。それによってじゃがいもの柔らかさと甘さがより際立つのがチャームポイント。トマトクリーム的なニュアンスなのにバチッと辛いのは新鮮な体験であった。
辛いものが好きな人はクセになるはず。 おすすめできる。

やっぱり食べて納得。深く感じ入るところがある。
相変わらず野菜だけでこんなに味や香りの幅が出せるのか、と楽しい驚きがやってくるのは他に代えがたい。楽しいなあ、インド料理。肉などいらないな、など思わず呟いてしまう。口福のまま、最後のチャイまで走り抜けた。

甘いチャイをすすりながらほっと一息ついていると、15時少し前から店内が慌ただしくなってくる。ホールのにいさんがランチメニューを下げ始め、カトラリーセットも奥に戻して。お客たちも次々と席を立ってゆく。

そしてコックたちがわたしの横のテーブルで静かに食事を始める。この感じ、好きなのだ。別に疎外感も感じないしせかされもしない。 ごくごく自然にレストランの営業が終わってゆく。

チャイを飲みながら静かに満足そうに食事をする彼らを眺めるともなく眺め、のんびりする。彼らも彼らでわたしのことをそれほど気に留めていない。 穏やかな空気が流れている。この鷹揚な感じがなんとなく好きなのだ。

とはいえ先を急がねば。
おいしかったことを伝えて店を出よう。

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