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【8歳の日記】ボール
※本編は実際に息子からきいた話を、親である私が無断で脚色し、息子目線で書いたものです。
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これは、きのうのはなし。
すごく、すごく腹が立った。納得いかなかった。
帰ってきてから、玄関のドアを力いっぱい、思い切り閉めた。
バタンと、思ったよりも大きな音がした。
お母さんは何も聞かなかったけど、やたらとちらちら見てくる。
僕は居心地がわるくなって、とうとう話した。
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お友達が遊ぼうと誘ってくれたんだ。
Youtubeも見飽きてたし、僕は嬉しくてすぐに着替えた。ついでに、このまえ買ってもらった野球ボールも持っていった。
このボールが、このあと騒動を巻き起こすなんて、そのときの僕は全く思いもつかなかった。
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僕達は公園でひとしきりボールを投げて遊んだ。たまにぶつけあったりしてふざけていたけど、ちょっと僕の方がぶつけられた気がするけど、それはそれで楽しかったんだ。
何回かのやりとりのあとに、A子ちゃんが投げたボールが裏山へ入ってしまった(遊びに誘ってくれたのは2人の女の子だ)。
僕は、A子ちゃんが投げたんだから取ってきて欲しいと思ったけど、二人は口々にこういった。
「B君(僕)のボールなんだからB君が取りに行くべき。」
「頼んでもいないのに持ってきたのはそっちである。」
「自分たちはスカートなので、ズボンを履いているB君が行くべき。」
理不尽だと思った。
これじゃあ、理由さえあればなんとでも言えるじゃないか。
3つめに至っては、スカートを理由に出されては太刀打ちできない。
昨今では男女平等が基本ではないのか。
僕はしかたなく裏山へ入って、ボールを探した。20分ほど探したんじゃないだろうか。いや、30分だったかもしれない。
とにかく僕はボールを持って二人のところへ戻った。
ところがそのとき、なんとそのボールを僕の手から奪い取って、また彼方へ投げるではないか!
まったく信じられない。
二人は笑っていたけれど、僕は憤慨して家に帰ってきたというわけである。
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母コメント:いつも仲良くするわりに帰ってくるときにはなぜか憤慨している。のび太のようである。いつもどら焼きを頬張るドラえもんのような気持ちで帰りを待っている。私には四次元ポケットはないけれど、繰り返し伝えていることならある。「楽しいと思ったときに、相手の顔も笑っているか確認してごらん。」
悪ふざけではしゃぐのは非常に楽しい。私にも身覚えがある。
けれどそれが一方通行ではないか、自分が楽しいときに認識するのは容易ではなく、逆に悲しいときに想像するのは誠に容易である。
とはいえ、そんなことを繰り返すのが子供時代なのであろうと、私は気楽にもこんな日記を書いているのだが。
本人からすれば一大事なのだから、こうして他人事のように書き連ねてしまったこと、心からお詫び申し上げる。
子どもたちに幸あらんことを。
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