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Régis.d 24年10月

Régisさんが焼菓子のお店として独立されてから数ヶ月、いつか行こうとは思いつつタイミングを掴めずにいたところ、甘いもの友だちから「10月に1日限定で生ケーキが復活するらしい」という情報を得る。

え、行きます行きます行きます!と日にちを聞き次第ホテルを確保し、いざ京都へ!ここ1年ほど、京都へ来るのはRégisさんのケーキを食べるためで、ついでにあれもこれも食べに行けるじゃん!という思考で赴いています。

この日お店自体はお休みをして、お隣の恵文社一乗寺店(IG:@keibunsha_books)のイベントスペースにて開催されました。
恵文社さんが企画してくださったおかげでケーキがまた食べられるなんて、本当に感謝の気持ちでいっぱいです。

キャラメリゼしたヘーゼルナッツのビスキュイ

気を抜いたらこの2枚で和紅茶消える勢いでした

ドリンクをオーダーすると、和紅茶にビスキュイが付いてきました。これからケーキもあるのに!さっそくRégisさんらしいおもてなしが始まっております。
このビスキュイがまた、サラリと食べられる軽い食感なのにあとからジワジワとバターのリッチ感に襲われて、もうこんなに美味しいの?と驚きのあまり1枚目は無意識の内に消え、は!恐ろしい!と我に返る。
あとで絶対に買うと決めているビスキュイ缶には入っていない味、大事に味わわなきゃ・・・!

と葛藤しているうちに、一皿目が来ました!

大きなお皿に大きなケーキが2つ。わたしの人生の幸せってこれです。
このお皿は以前のお店でも使っていたあの素敵なお皿と同じ作家さん、森岡嘉祥さんの作品だそう。
シンプルな形だけど確かな個性、何よりあたたかみがあって、Régisさんのケーキの表現とよく合ってるなあと感じます。

クラシックなモンブラン

存在、うれしい

予約案内でケーキのメニューが提示された時、どれだけのRégisファンが湧いたことでしょう
現にわたしはお友だちと大騒ぎしました。あの美味しい美味しいモンブランを、最高最高マロングラッセをもう一度食べられるなんて・・・!メニューが出ただけでありがとうが止まりませんでした。
電話予約の際に「あ、わたしのモンブランにはマロングラッセ2つのせてください」と言ってみようか、かなり考えましたが思い止まりました。大人ってえらいです。

しかし実は前回のモンブランとまたひと味違うそう!
ひとつはラム酒を少しパワーのある種類に変えたこと。
そしてもうひとつはパーツによって入れる量の強弱をつけたこと。

↓前回のモンブランはこちらの記事にあります
(ってリンク貼ったらめちゃくちゃおいしかった無花果タルトの写真でてきて撃沈しました、おいしそう)

「縦に切って、なるべく全パーツをひと口でたべてね」と指示を受けるも、わたしどものような食いしんぼうは言うことを聞きませんね。好奇心でパーツごと試したくなっちゃう。
でもそれぞれを確かめたことで、すごい驚きがあったのです!

まずひとつひとつの個性・技術がすんごい。
風味豊かなメレンゲ、これだけで食べてもコーヒーのおやつとして立派に役目を果たしてくれそうなほどしっかり味がある。(2杯目のドリンクにコーヒーをオーダーしたらお茶菓子にメレンゲをつけてくださって本当にこれ!と思った)
濃いと言いたいわけではないんだけど、なんかRégisさんの作りだすものって素材と技術が突出してるからこそ出てくる、今までに味わったことのない風味が引き出されるのです。

マロンペーストにはしっかりにラム酒が入る。マロンの風味を味わったあとにふわっと立ち上がるラムの香りが華やか!

そして3リットルは飲めるくらいに軽々としたクレームシャンティ。空気の含有量が高いしバニラビーンズの風味に感動したらからだが熱くなったしその燃焼分も加味すれば実質0カロリーです。

マロングラッセは「あ、わたしのには5個のせてください」と言わなかったことを後悔しました。食べてしばらくしみじみしてしまった。
だって栗の食感が完璧で、バニラビーンズの混ざったフォンダンが美味しくって、ラムの香りの広がり方が宇宙だったから・・・

そんな豪華すぎるパーツをすべてひと口に収めてみると、「ひとつ」にまとまるのが本当に不思議でした。
どこからラム酒が香ってるのかわからず、あんなに光を放っていたメレンゲの風味がクレームシャンティやマロンペーストに馴染んで、3次元なまま、チームとして美味しくなるのです。

こんなにシンプルな中身とは思えない
目の錯覚かな?

前回のモンブランは、わたしの中の5歳が大歓喜する味だったのですが、今回のモンブランは、鑑賞欲がかき立てられる、より技巧を凝らした一皿でした。

ヴァニラとキャラメルのシュークリーム

バニラビーンズは(たしか)コモロ島産を使用。いわく、「リコリス(甘草)のような風味が特徴」だそう。
すんごいいっぱい入ってるの。すごいよ。

そしてこのシュークリーム、見たことのなかったアイディアなのですが、シュークリームの中にさらに小さなシュークリームが入ってるのです。
見えますか?生クリームたっぷりで見えませんね。

まずはふたのシュー生地を外して、縦に割ってみます。ナイフを入れるとクレームシャンティのおふとんを抜けて子シューがグラグラと向かい側から覗きはじめるの、かわいかった。

わたしのカトラリーの扱いが悪過ぎてうまく切れず、ここに断面図を載せるのが心苦しいのですが、Régisさんがすごく上手に切った写真がinstagramにあるのでぜひそれをご覧ください。
というかこの動画可愛いから見てほしい

子シューもまとめて割ると、トロッと出てくるのはキャラメル!わたし、Régisさんのキャラメル大好きなの。お酒入ってないのにお酒な味がする天才大人キャラメルです。

先程から「子シュー」と勝手に呼称していますが、子シューと呼ぶには結構大きめのサイズで、たまごっちくらいです。だからたっぷりキャラメルが楽しめるのです。
そして子シューが中に収まることで中に詰める生クリームの量を抑えられ、しつこくないように仕上げられる、というのが意図らしい。
このマトリョーシカみたいなシュークリームのアイディア自体はピエール・エルメ時代に作った経験からだそうですが、当時はパッションフルーツなどのフルーツソースを入れていたとのこと。

まとめて食べると入れたてだからこそのシュー生地のザクザク感、大きく包み込むようなクレームシャンティ(モンブランより気持ち硬めだからか包容力すごい)、森っぽいぬくもりある甘さのバニラビーンズがたっぷり入ったカスタードクリーム、それらを差し置き天才大人キャラメルソースが先陣切って美味しいを届けてくれます。

そして書きながら思いました。こんなの、かぶりついちゃえばよかった!ぜーったいしあわせだろうな、かぶりついたら中のキャラメルがあふれてやばいやばい!って多めに口に含んじゃうの、やりたかった・・・妙に上品ぶろうとしてしまいました。

青檸檬のタルト

さっきから薄々気付いてはいるでしょうが
大興奮でカメラワーク・ピントともに最悪です

お皿が届く直前に気配として感じるほどに削りたて!青檸檬の皮の香りが立つ。顔に近づけるとより新鮮に感じられます。

ちなみに当然のように全ケーキ(3種)を予約したのですが、食べる順番はRégisさんにお任せしました。そのとき「一番重いのはグリーンレモンのタルトだから、最後がいいと思います」と仰っていたのが(シュークリームより?モンブランより??)と不思議だったのですが、食べて納得。わたしが思っていた"重い"=濃いではなかったみたい。

このタルト生地なんです、久しぶりだね

中にはシロップ漬けの青檸檬のピールがゴロゴロ。甘いわけではなく、苦みがグッと迫ってくる。
レモンクリームがまた絶妙な粘度で、ソースとまではいかないけど、タルトを切るとたれ始めるトロッと感。
そしてなんか、乳酸のようなコクがある。最初「シロップ漬け」を「塩漬け」と聞き間違えていたので舌が塩味を探すあまり「いい食材を揃えた自家製ナチュラルマヨネーズ」を感じ取ってしまう、そんな感じのコクです。同席したお友だちは「サワークリームみたい」とも。確かに、こちらの方が言い得て妙かも!
これコースの前菜に出ても違和感ないかも、嬉しいかも。

タルト生地はもう、言わずもがな、完璧な厚さと食感と発酵バターのいい香り。
今までこのタルト生地で食べてきたのはフルーツやチョコレートだったけど、今回のタルトを食べた時、おかず系でも最高に美味しいんだろうな、と想像しました。それこそヨーグルトソースのかかったチキンとか、パテとかのってほしい・・・ワイン・・・・

この3つのケーキを楽しむのにだいぶ長居してしまいましたが、忙しい中でも「ゆっくりしてってね」と声を掛けてくださり、おかげさまで思う存分リラックスできました。

恵文社さんも、予約時間まで少しふらっと見た本や雑貨のひとつひとつが素敵だったなあ。あと個人的にはInstagramで紹介していたポール・ギャリコ『猫語の教科書』が愛読書なので親近感湧きました。そうなの!いいよねえ!もっと時間をとってゆっくり見たら良かったです・・・次回は絶対。

彼岸山ハチミツのマドレーヌ

続々と売れ行く焼き菓子たちから唯一手にとれたのがマドレーヌ。プレーンかと思いきや、はちみつ入りでした。

ホテルのお部屋でいただいたのでお皿がなく、恐縮お行儀悪食べなのですが、ちゃっかりお気に入りのティーバッグを持参していたのでテーブルコーディネート以外はちゃんとおやつタイムです。

わたしはさ、このふちの食感が
繊細であればあるほど嬉しくなっちゃうんだ

可愛くってつい色んな角度から見ちゃう。
けどそろそろ食べます。

味ははちみつをそのまま飲んでるみたいに水分を感じるのに、生地はふわっふわ!中心に近づくほどしっとりしていくし、極薄に仕上げられた"外側"の存在感もある、このコントラストが鮮やかで、このマドレーヌもやっぱりまばたきしている間に消えました。おいし過ぎるよ

おかげさまで食欲が湧き、残りの旅行も無事たくさん食べられました。
総合的に見て健康食品です。

ビスキュイ缶

さて、旅も終わり次の休日にゆっくり向き合いました。お店で山積みだったビスキュイ缶も、わたしが購入しようとしたときにはラスト2・・・間に合って、よかったー!

翼が小麦だ〜〜

ビスキュイ缶のpipelette(ピプレット)は「おしゃべりな鳥」と言ったような意味で、Régisさんがお菓子のことについてついたくさん話してしまうことにちなんだそう。かわいい。わたしはそのpipeletteがいつもとってもたのしみです!
開けるとさらに素敵な絵のメッセージカードが出てくるの、、、ぜひ購入して見てみてほしい。

そして、ついに「色々とすごい」と噂のビスキュイに会えます。

ぱかーん!

これはもう、手をどけた瞬間0距離のいないないばあです。赤ちゃんだったら怖くて泣いてたと思う、想像以上のミチミチ感。
装飾の余地などなく缶の体積の限界まで詰め込んでくれるところ、食いしんぼうの心をよくわかってくれていて嬉しいです。詰め方が引越しする時の本だもんね。

右から左へ向かって味が重くなっているそう。順番にいただいていきます。

Biscuit rustique
リュスティック

まずは京小麦粉を存分に楽しむためのプレーン。
粗めの生地をザクザクと噛み締めるほど小麦の甘みがじわじわあふれてくる、なんてありきたりな表現を使ってしまうのが悔しいほど風味豊かで、この粗さがキレーーーな四角に収まっているのが不思議なくらい、口に放るとザクザクバラバラしていくのがとっても楽しい!
こんなシンプルなところからわたし史上一番おいしいを叩き出してくるの、おそろしいです。

Biscuit au thé
紅茶

こちらは京都和束産の和紅茶を練り込んだもの。
和紅茶の甘みが茶葉を噛み砕くたびにじゃぶじゃぶと溢れてきて、お茶で飲むよりお茶!
こういうお茶フレーバーが主役のタイプって、バターが控えめになったりしがちだけど、ちゃんと手を取り合っているのがすごい。

Biscuit au miel
はちみつ

衝撃を受けたマドレーヌと同じ京都亀岡の彼岸山はちみつを使用。マドレーヌに負けずはちみつの風味が生のまま!
なんかこのはちみつ遅効性なの、馬で言ったらディープインパクトです。

まず生地の美味しさ、それからリアルなはちみつの風味といった具合にどちらも味わえるのが贅沢なところです。

Biscuit aux raisins au cognac
コニャックレザン

コニャックレザンは気持ちぶ厚め。ありがとう
ロースト香もあって、他のビスキュイの軽やかなザクっと感よりもう一段階深い食感を得られる。

細かめに刻まれているのに、レーズンってそういえばぶどうなんだよなあと納得する。ラムレーズンって、レーズンのワックスをごまかすようなものばかりだからあまり得意ではないのだけど、美味しい組み合わせだから存在するんですね!と納得できる。Régisさんのおかげで克服できるスイーツがたくさんある、ついまんじゅうが怖くなってしまいそうです

写真を撮るため、そして美味しいと向き合うためにお皿に盛りましたが、当然こんな枚数じゃ満足するわけがなく、ギチギチに詰まった缶からグイグイと引っ張り出しておかわりしました。
それでもまだたくさんあるの、本当にうれしいね!

Régisさんはいつも使う食材の生産者の情報を詳しく発信してくれます。今回いただいたスイーツたちに使われた青檸檬も、京小麦も、彼岸はちみつも、生産者の方々がどれだけの熱意を持って素晴らしいものを作っているか、Instagramの投稿で確認できます。
食材から器、そしてお店の内装まで、関わるひとつひとつに愛情とこだわりを持って接しているから、本当にいい食材がここに集まって、わたしたちがこうやって美味しく食べられるわけです。ありがた過ぎます。
今回店舗を見ることは叶わなかったんですが、独立を決めた時から仰ってた中根蓮さんの照明や、輸入した小麦のオブジェとか、次こそ見られることを楽しみにします!

以前こちらのnoteをRégisさんにわかりやすいよう翻訳してくださった奥様にもお会いできて、やっとお礼も言えて良かったです。
先に予約の電話口でお話ししたときも、まさか電話が殺到してるなんて気付かせないご丁寧な対応でまったりしてしまいました。
なんてあたたかいご夫婦・・・もっとお話ししたかったなあ〜〜

そしてなんと、次回の生ケーキは苺の季節を予定しているそう!行きます行きます行きます!

京都の食べたいお店、またチェックしておかなきゃ。

○おまけ
帰り際、ご夫婦が「ちょっと待って」とキッチンの奥から取り出して、東京からやって来たわたしたちにこっそりくれたもの。
なんかこの渡し方、小さかった頃大人に良くしてもらっていたあの感じを思い出してほっこりしました。もう大人なのに・・・

でも手のひらに置かれたのはフランボワーズのギモーヴです。こんな凝った美味しいのおまけにしちゃだめ!!笑
ふわっとしてるのにジューシー爆弾でしたギモーヴってこんな美味しいの?!
またひとつ不得意スイーツを克服してしまいました。このお店に行くとこの世の美味しいものに気付き過ぎてしまうなあ

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