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「大好き」を侮るなかれ

私は母から
「大好き」「愛してる」
の言葉を聞いたことは
なかったかもしれません。

記憶にある限りでは、ですが。

小さい頃には
言ってもらっていたかもしれないけれど、
母がその言葉を口にしているのを想像すると、
とても違和感があります。

「大好きと言われてない」
なんて、
子どもの頃も大人になってからも
気にしたことはなかった。

大好きと言われなくても
そりゃ親が子を愛しているのは
当たり前…

そんな無意識下の思いが、
親子共々あったかもしれません。


私はきっと、母から
もっと大好きという言葉を
聞きたかった。

父もそういうことを
口にするタイプではないので
尚更ですが、

毎日毎日一番近くにいた母にこそ、
「ちゃんと愛されている」という確信を
どこかで持ちたかったのかもしれません。


母からの遺書の中に、

「〇〇が娘で幸せでした
〇〇が生まれてきてくれて幸せでした
ありがとう」

とありました。

私は、
母からの愛は十分受け取っています。

そして当然これらの言葉も
ぐっと胸に刺さりました。


でも、
「お母さんは
最後の最後にも
大好きや愛してるの言葉は
言えなかったんだな」
とも思ってしまった。

言えなかったというか、
浮かばなかったというか…

母には
どこかそういう言葉を発するのは
恥ずかしいとか、
そういうマインドが
ずーっと幼い頃からあったのかもしれません。
そんな母自身も、
両親から言われてなかったんだろうと。


私は、
自分の子どもたちには
自分を認められるようになって欲しい。

だから、
ことあるごとに「大好き」を伝えられるように、
毎晩寝る前のハグとこの言葉がけを
母の死後は特に習慣にしています。

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