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Kindle作家さんへ:日本から海外に出版したKindle本を読んでもらう方法
たまたまこの記事をみていただいたKindle作家さんへ
「海外出版なんて関係ない」と思っていたらちょっと待ってください。
試しに読んでみて下さい。
はじめに(マーケットプレイスの考え方)
Amazonのマーケットプレイスについてご存じでしょうか?
Amazonはネット通販業を本業としているので基本的に各国毎のマーケットプレイス単位でユーザーアカウントを管理しています。
Kindle出版を管理しているKDPもAmazonアカウント単位で存在します。つまり日本アカウントでは日本のKDPからしか出版できません。そして日本アカウントからは日本のアマゾンでしか買物できないのが基本です。
ところが、各マーケットプレイスのKDPとAmazonストアは連動しているため(正確には各国のKDP同士が連携しているため)意図せずとも日本で出版したはずの本が海外のマーケットプレイスでも販売されているのです。イメージを下記に示します。
![](https://assets.st-note.com/img/1648251267734-C57jhIB5QR.jpg?width=1200)
どうせ海外では読まれない?
と思うかもしれませんが実は意外と日本で出版した書籍は海外アカウントでも読まれているのです。三つのケースを紹介します。
一つ目のケースは海外に住んでいる日本人が海外マーケットプレイスで販売されている日本語の本を読むケースです。海外居住でも日本アカウントをメインにしている人もいますが、通販と税金の規制の関係で現地アカウントを作っている人が殆どです。(私もイギリス駐在中はUKアカウントしか使っていませんでした。)
そして、海外に住んでいる日本人は日本語の電子書籍を良く読みます。
二つ目のケースは日本語を勉強している外国の方が勉強用に海外マーケットプレイスで販売されている日本語本を読むケースです。日本に来てからも地国でも海外アカウントから日本語の勉強に役立ちそうな電子書籍を購入します。アニメや優しめの日本語や日本語勉強用の教材も売れている様です。
三つ目のケースはは海外アカウントで海外に住む方が現地語で読むケースです。このケースは現地の作家が相手になるため中々難しい戦いになります。勿論このケースは現地語の本でないと読まれないかと思います。
では出版しているのに読まれないのはなぜ?
それは、マーケティングの問題だと思います。
個人出版のKindle出版を何のマーケティングもなしに出版した経験のある方はわかると思いますが、日本で日本語の本を出版しても無名作家の本は読んでもらえないというか存在すら知られません。海外のマーケットプレイスでマーケティングをしなければ日本人の書いた本が日本語でも英語でも売れるはずはありません。売れている本は有名作家の書いた本や日本でも有名な出版社のベストセラー本です。作家でない分野の有名人(例えば大リーグ大谷選手やゴルフの松山選手)であれば素人作家でも売れると思いますが特別です。
海外出版マーケティングを確認した本
私の自著本3冊使って実際にマーケティングをやってみました。この3冊は評価が悪く本の内容でとても売れる様にはならないかと思います。よろしければ覗いてみてください。一冊目は完全日本語のゴルフの本、もう一冊は海外に売ることをはじめから狙った英語の本です。そしてその和訳にあたる日本語の本、この本は日本語を勉強中の方を対象読者と設定しました。
結果少しだけ海外で売れました。但し印税はごくごくわずかです。
海外では難しいマーケティング
日本との違いをわかっていただくため難しいマーケティングの方から紹介します。
海外では難しい戦術① A+
最近多くの方が採用しているA+は日本KDPから申請ができないため海外アカウントでKDP登録して本を出版しなおして現地KDPに申請する必要があります。つまり実質できないと思った方が無難です。
※A+についてご存じない方は下記記事かnoteでもA+で検索するとたくさん出てきます。
海外では難しい戦術②日本でのランキング上位戦術
SNSやキャンペーンを駆使してランキングの上位をキープすることでAmazonでの露出を高める考え方は海外でも通用するのですが、日本のランキングやベストセラー実績は海外マーケットプレイスでは一切反映されません。例え英語の本であっても海外は海外で販売実績を作らないとAmazonは評価してくれません。
勿論海外の方とSNS等で繋がっていれば海外でも可能かもしれません。
海外マーケットプレイスでも可能なマーケティング
海外でも可能① 新刊期キャンペーン
これは仕掛けるマーケティングではなくAmazon側が新刊期に露出を多くしてくれる期間です。検索やランキングやオススメでも優位ですので他のマーケティングをこの期間に仕掛けることが重要なのは日本と同じです。
海外で可能② 割引キャンペーン/無料キャンペーン
割引日本ではないキャンペーンですが日本のKDPからcomに対して申請可能です。但し、日本の無料キャンペーンと同時にできないので日本のキャンペーンとどちらにするか考える必要が出てきます。
無料キャンペーンは日本で実質すると自動的に海外でもやられます。私の英語の本は日本でよりアメリカでの方が読まれていました。
海外でも可能③ カテゴリー追加変更
SEO対策にもランキングにも重要なカテゴリーですが最終的にカテゴリーを決めるのはAmazonストアなのですが各マーケットプレイスに日本のKDPから申請/提案は可能です。海外マーケットプレイスではこれが1番重要だと思います。ちなみに日本と海外ではカテゴリー構成が全く異なります。日本で洋書カテゴリーがある様に海外でも日本語用のカテゴリーもちゃんと用意されています。ただし申請しないと自動では入りません。
カテゴリー追加変更申請は下記の記事がわかりやすいです。同じ方法で海外マーケットプレイスの申請ができます。
申請のコツも海外も日本も同じです。但し交渉がより大変です。
海外でも可能④ タイトルSEO対策
SEO対策が重要なことは有名になってきました。海外マーケットプレイスでは日本語の本でもタイトルは英語で出ます。そのため申請時の英語タイトルが重要になってくると思われます。
SEOについて下記の本がわかりやすいです。各マーケットプレイスに有効なキーワードは異なります。
海外でも有効⑤ グローバルレビュー
売上実績はマーケットプレイスで互換が無いのですがレビューはマーケットプレイス間でグローバル評価として互換があります。日本のレビューも日本語かAmazonのAI翻訳で出てきます。日本でのグローバルレビュー(コメント付きレビュー)の多さは効果がありそうです。但し、全ての評価は反映されませんし反映に異常に時間がかかります。
海外でも有効⑥ シリーズ化
日本のKDPでシリーズ化申請したものは日本のKDPから申請すれば海外でもシリーズ販売してくれます。
海外でシリーズ購入は難しいかもしれませんが、A+の代わりの詳細ページでの宣伝代用にはなるかと思います。
更なる発展(図書館に並ぶ)
海外販売は単にマーケットが大きいだけでなく、海外外部流通の規定に沿ってペーパーバックを出版すれば図書館にならベてもらえる可能性があります。図書館に並んでも印税は殆ど入りませんが夢があります。下記の本で挑戦している様子と申請の仕方が少し書かれています。
因みにまだ図書館に売れてませんが売れた場合の印税は一冊あたり1円未満(つまり実質印税無し)に設定しています。