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練習が楽しくなる!パターのリクツ③ スライスフック傾斜面の近似計算
前回2回まで、グリーンスピードによる距離感、上下傾斜がある場合の距離感について等加速度直線運動のモデルでリクツを整理しました。
次のステップの左右傾斜(スライスフック傾斜)が追加された場合については、実際は直線運動では無く計算のモデルが一気に複雑になります。
ケースを以下の様に限定し、
・ボールとカップを結んだ距離=1.5m
・グリーン速度10フィートの速めのグリーン:
・上りの傾斜2°
・スライス傾斜(右下り傾斜)1°
更にグリーンのブレーキはカップに向かう方向だけに限定し、打ち出し方向と打ち出し速さを計算により求めてみたいと思います。
使う物理と数学の知識
厳密に計算した場合、等加速度運動(但し直線では無い)として考えるか、方向を分解して直線運動(但し等加速では無い)として考えるかのどちらかになります。
どちらも複雑な積分計算が必要になり、趣味で投稿するゴルフ記事の一環としての計算の領域をこえてしまいます。
グリーンのブレーキはカップに向かう方向だけに限定することにより、今回は文系でも習う範囲の高校物理/数学の知識で計算できるようになりました。
使う知識としては、距離感で使った等加速度直線運動(50代の私は中学3年理科で習った。)にベクトル絡めた運動(50代の私は高校1年物理で習った。)の組み合わせになります。
ゴルフの記事ということだけでなく、大学入試センター試験の物理の問題を解いてみるに近い頭の体操になるかと思います。中高生の知り合いがいる方は勉強の一環で一緒に考えてみるか、自由研究ネタとしても面白いと思います。
モデルの考え方
今回は以下の図に示したモデルで考えました。前述した様に芝からのブレーキ力は進行方向と逆方向に掛かり続けるのですが、ボールとカップの直線方向のみにブレーキ力が掛かると近似して考え易くしました。
少し図を補足します。
ボールの位置を原点として
実際のカップを直線で結びこれをX軸とします。
原点から垂直な軸をY軸とします。
水平面から実際の面は原点を中心にθx°、θy傾いています。
最終アウトプットは打ち出し初速と打ち出し方向とします。
結論(最終アウトプット)
ケースを上記の様に限定し、計算したところ
ボール打ち出し方向γ°は5.54°
(実際のピンよりカップ1.3個分左を狙った方向)
ボール初速は1.634m/s
(水平な普通グリーンで実際のピンより0.6m先で止まる強さ)
で打てば良いことが計算により導かれました。
この計算結果は現実の感覚と合っていますでしょうか?
スライスやフックの傾斜があると打ち出し方向だけでなく、打ち出し強さによっても軌道が変わってしまうことが計算によってもわかります。
この様な詳細計算をラウンド中に頭だけで行うことは不可能であり、また、計算結果通りの方向と強さで打つことも素人には不可能だと思います。
しかし、アマチュアゴルファーであっても、奥が深いパターのリクツを追求し下の様な傾斜付きパターで経験を積んでスライスライン、フックラインを読んで難しいラインをカップインさせる確率を増やしていくことにチャレンジしていくのもをゴルフの楽しみの一つではないでしょうか?
※以下、使用した計算式を含め結論を導く手順を数学や物理の問題の解答風にまとめております。ゴルフ記事として読んでいただいている方には適さないかもしれませんので、他のケースでの計算結果含めて、note最低価格100円で有料記事とさせていただきます。
解答風な計算過程
まず、X方向についての運動について考える。
X方向は等速直線運動につき下記の①②の式で表すことができる。
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