#005 ときめくのって難しい(エッセイ)
絵を探している友人の言葉。
曰く、家に合う絵が欲しいわけではなくて、心がときめいて未来に投資したくなる絵と出会いたいのだとか。
でも、なかなか見つからないらしい。
その彼にも言ったが、それは恋人や配偶者ではなく「好きな人」を探すようなもので、難易度は非常に高いと思う。
前者なら、適切な手段と意志によって見つけられる可能性があるが、後者は思いがけず琴線に触れないといけないのだから、予測できない。
(こんなはずじゃなかったのに…)と、時に自分自身をも裏切りあざむくことさえあるのが、ときめきの醍醐味。
不測と不本意の先に仕込まれた落とし穴に転がり落ちたいと願うようなものじゃないか。
だから個人的に言って、ときめきは、求めた時点で不測度が減っちゃって惜しい…と思うものの、希求するのは個々人の自由。
ときめきやそれに類似した心の動きを求める人はたぶんいっぱいいるし、少なからず日常に彩りや華やぎを与えてくれるものなんだろうと思うから。
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