#009 まだバイバイも言ってないのに(エッセイ)
保育園の帰り道、次女の言葉。
散歩の時に拾った松ぼっくりを持ち帰ろうとしていたので、どうにか道中で手放させたかった。
手をつないで歩きつつ、リュックのポケットから大事そうに出してきた。
それを誰と見つけたか、いかにその小さい松ぼっくりがかわいいのか、次女は熱弁していた。
しかし、家に持ち込むのは避けたい。
結局「松ぼっくりさんは外で育ったんだから外の方がいいよ」とか「家に入ったら、しなしなになるで」とか適当なことで言いくるめ、最終的に次女は松ぼっくりを置いた。
道のど真ん中に。
それで終わったと思っていたのに、さっき次女が突然「松ぼっくりさんどこに行ったの」と言い出した。
そして「まだバイバイも言ってないのに」と。
松ぼっくりを愛でるのは別に悪いことじゃないと思う。お別れする時は挨拶するという認識も、社会的でよろしい。
問題は、松ぼっくりを置いたのが3週間も前の話だということ。急に思い出して、おかんを戸惑わせるのは本当にやめてほしい。
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