【入院生活の始まり】
それから数分後、ストレッチャーに乗って救急外来に入る。
とてもきれいで大きな診察室に入り、きれいな病院だと勘違いする。
ストレッチャーからベットに移され悶絶。
どうすると激痛が走るかわかるようなってきた。
だからって自分ではどうすることもできない。動けないのは、ジレンマだ。
この痛みからすると膝の靭帯を伸ばしてしまったか?
ぐらいにしかこの時は思ってなかった。
診察が自分の番になりCTを取るとのこと。
また、ストレッチャーに移されるが少し硬いシートを背中に挟まれ、スルスルと移動した。
抱えられるより楽だった。
診察室を出た途端に段差があり足に響いた。
薄暗い廊下は、収容所のように感じた。
CTから戻ってベットに戻ると尿意を催した。
男性ナースに伝えると尿瓶を突っ込まれた。仕切りはオープンで開放的だった。
CTの結果が、ラップトップに映し出されると、Dr.に「折れてますね。」と告げられる。
ショックだった。
それは、膝に近い大腿骨が斜めに折れてずれていた。
右大腿骨骨幹部骨折と診断され5ヶ月ちょっとの入院生活の幕開けだった。
この時点で時は深夜2時をまわっていた。
病棟ナースが迎えに来て連れていかれる。
このナースは男性で、40代前半か?目元がレーサーの脇阪寿一似だった。
今にも止まりそうなエレベーターに乗せられストレッチャーで病室に向かう。
救急外来のきれいな建物から一転して相当古い建物だとわかる。廊下も狭く、まさしく監獄のようだった。
病室に入ると直ぐに病衣に着替えさせられた。
脇阪に無理やり剥ぎ取られるが正解かもしれない。
あまりの激痛に痛みを訴えると、折れてるからしょうがないと言われる。
優しさのかけらもない。
そうそう
ここで、おむつにさせられる。
おむつを拒否したが、ここはあなたの家じゃなく病院でケガを治療する為に来たのだから我儘を言うなと言われた。
我儘を言ったつもりはないのだが、その言い方にムカついた。
病院の作法について右も左もわからないので渋々口を閉ざした。
そして、こいつは言うことはいっちょ前だが腕はない事が判明。
採血するからね~
と言いながら採血に数回失敗し諦める最悪な奴だった。
時は深夜3時をまわっていた。結局、この夜は一睡もできなかった。
つづく