6月10日

 捨てる神あれば救う神あり。と言えるかどうかわからないが、条件の良い気になる求人を見つけた。たまたま母の〝待機〟とも重なり、家事や犬の世話を気にせずハローワークへ出かける。今日はすごい人だった。
 検索する際に職業紹介窓口の番号表を発券してもらい、直前まで新着求人を探す。オープンして暫くは、新しいものはない。それでもただ椅子に座って順番を待っているよりは良かった。
 40分程してようやく順番が来た。窓口の女性は快活で若干早口だが、頗る手際が良い。気になる事項を確認すると、「そうですよね、私もそれ、気になってました」と即答するので、求人票を手渡した一瞬の内に、引っ掛かりどころを確認していたのだと驚く。見落としがちな細かいところにも着目し、こちらが不安にならないよう、上手い言葉で形容してくれる。募集先への連絡も手早く、質問から得た回答と、それに対する相談業務としての見解を交え、応募の段取りを手早く整えて行った。
 カウンターに呼ばれ、擦り合わせをして募集先に電話し、応募事項を確認してこちらが退却するまで、10分もかからなかった気がする。5分くらいで済んだのではないか…と思うが、時間で計っていたわけではないのではっきりはわからない。唯、頗る気持ち良く事が運んだものの、抜けに全く気付かなかったので、かなり効率が良かったのではないか…。彼女の窓口に当たったことが衝撃的な幸運に思え、あまりにも嬉しくて、去り際に名札の名前を確認した上でお礼を言う。対応中と変わらず、自然な笑顔で「書類を送って下さいね」と一言。感激して褒めていることには気付かれていないのだな…と思ったが、彼女にとって、そんなことはどうでも良いのかも知れなかった。
 
 希望に近い求人への応募が決まったからといって、そこに採用されたわけではないので、引き続き求人を探す。おかしなことが起こっていた。
 一昨日、求職サイトを通じて問い合わせしていた保育施設の求人が出ている。求職サイトの広告として表示されていたのは何ヶ月も前から…。しかしハローワークの求人で見たのは初めてだった。
 業務内容について、担任業務の他に、私が問い合わせた〝預かり保育〟が含まれている。勤務時間は16時半までで、残業は殆ど無しとされているのに、園のHPでは18時半まで預かり保育があるように書かれてあるので、その辺りの対応がどうなっているのか問い合わせたところ、サイトの担当者には「預かり保育は他のアルバイトさんが担当しています」と言われたのだった。一体どういうことか?
 求職サイトから、今日、連絡はなかった。評判を調べると賛否両論極端である。私のような経験談はなかったが、色々と違和感を生じて「二度と使わない」と書いている人が一定数いた。
 ハローワークの求人票によると、募集先は就業開始時期を9月としていた。どうやら急いでいるわけではないらしい。私の問い合わせ時期と被ったのはただの偶然かも知れないが、一方である噂の可能性も過る。
 募集先は、求職サイトを通じて人を雇用すると、仲介手数料を支払う必要があるらしい。因って、求職サイトからの応募者ではなく、他で決まりそうなら、手数料の発生しない方を選ぶのだとか…。真相はわからないし、こちらの想像でしかないが、求職サイトから私の件が問い合わせとして伝わった時点で、人を確保する予想が立ったため、手数料の要らないハローワークの方へ求人票を出すことで、そちらから応募者が集まる見込みを立てて、手数料から逃げたのではないか…。私がハローワークを通じて応募するかも知れないし、他にも多くの応募者が集まるかも知れないと読んだのではないかと思う。
 9月まで人が要らないなら、こんなに何ヶ月も前から広告を出していた理由が謎だが、勤務時間後の預かり保育を〝殆ど残業なし〟の職員がどうやって対応するのか相当怪しい。9月就業なら選考にも時間をかけられるだろうし、いくら待遇が良くてもおかしな求人に対して積極的に応募しようという気持ちはなかなか持てないため、様子を見守ろうと思う。自身の求職者マイページに保存した求人票に【無効】と表示された時点で、人が決まったということはわかる。ちょっと実験めいているが、若干、闇の部分の糸口が見えるような気もしている。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?