5月18日
「9月に結婚します!」
妹から昨日来た突然のメッセージに、生活が荒れる。
派遣の仕事を始めて、少し落ち着いた様子だったせいか、珍しく一週間連絡がなく、犬の通院報告を兼ねて、その後変わりないか尋ねたところ、彼氏が出来たと聞いたのは先週金曜日。その二日後の結婚宣言だ。
年末に、数ヶ月付き合った相手と破局したらしいと聞いたのはこの春。その後、ビョウキ再発で家族を振り回し、コロナの自粛で再び振り回し、派遣で外に出ることにより復活した矢先の急展開。
「アホか!」としか言いようがなかった。
結婚して落ち着いてくれることに反対はない。血が繋がっているとはいえ、異常な諸々に生活を掻き乱されることに、母も私もいい加減疲弊していた。夫という立場の人が、一手に引き受けてくれるなら言うことはない。しかし、順番も何もあったもんじゃない。世の中にはタイミングとか、縁とかで、スピード婚するカップルがないわけではなく、上手く続いているパターンも少なくない。しかし我が妹に限って、上手く行くとは思えなかった。賭け事などしない主義だが、これに関しては賭けても負ける気がしない。
相手の情報は何一つ入っていない。名前も年齢も、何処で何をしている人なのかも、家族の誰も知らないのだ。母から連絡を受けた弟が、「結婚詐欺か?」と返して寄越したことに笑えなかった。
誰も良い返信をしなかったせいだろうか、例の如く無視を決め込んでいる彼女をそのまま放置しているが、突き詰めていくうちに母と喧嘩になる。何の実りもない無駄な時間がひとつ増え、家族関係が余計に悪化する。
一方で、彼女のように短期に色々あり過ぎる人生を、すごいとさえ思う。外へ出て行くことで、彼女の人生には良くも悪くも嵐が起こる。逆に、出て行かない私に嵐は起こらないが、出て行ったからといって起こらない現実を身を持って知っている私の人生が、このまま穏やかに過ぎて行くとも思えない。
人生唯一、最後の望みと思って探している、定年まで働けそうな仕事…今日も収穫なし。
前職の後任から来た質問のメッセージは、またもや、既に引き継ぎリストに記載している内容。ちゃんと読んでいるのだろうか?
動かない人生を動かす努力の仕方を、何か間違えている気がしてならない。しかし方法を、他には思いつかないのである。
今出来ることをしているつもりではいるが、時間が足りていないとも感じる。
今日出来たこと…ある程度育ったスイカとかぼちゃの苗を、ようやく畑に植えた。体力が追い付かず、滞っていた記録を、ようやく文章化した。ようやく…ようやく…。時間ってあるようで無いのは、専業主婦のような生活のプラスαで、したいと思っていることをしているせいかも知れない。
母との喧嘩の理由を考えた時、私は私のことだけをして良い人生を歩んでいないことに気付くが、母もずっとそうだったことを思えば、私に主張出来ることはひとつもなく、しかし自分の事だけをして人生を切り開いている妹の姿を頭の中で追う時、本当の幸せって何なのだろうと、益々判らなくなっていく。