4月26日 ②
最初に気付いたのは数ヶ月前だ。キーワードはふたつ。非正規公務員。ワーキングプア。
私はずっとそれだった。非正規公務員でワーキングプアだった。そして容易に、その立場さえ奪われる崖のような危うい場所に立っていた。はっきり自覚してから『これではいけない』と一念発起した矢先、世の中はコロナ禍に陥った。
泣き続けた一年だった。仕事のことだけではなく…。
愛犬が旅立つとき、傍に居られたことは幸せだった。紛れもない事実には相違ない。就職難を見ないフリをして、そのことに感謝した。必死に。それが前向きに生きるということだったからだ。
雇用契約に定めのある仕事には、金輪際就くつもりがなかった。しかし経済的な困窮に耐え兼ね、棚ぼたのように舞い降りた一年契約に飛びついた。諸事情により、満了を待たずに退職。あれから一年二ヶ月が経とうとしている。
占いばかりを見ていた。希望が無いからだ。状況が悪い。しかし年が明ければ変わる。そんな何の確証もない情報に希望を持った。年は明けたし、新年度も始まったが、現状は変わっていない。先月末、ようやく出会えた、これぞ!いう求人は、応募から三週間後に、書類選考すら通過できなかったとわかった。その求人は締め切りを越した後、再度募集がかけられている。応募者が少なかったのか、応募者の中に欲しい人材がなかったのか、いずれにせよ面接にすら進めなかった私は、求められる人材ではなかったということだ。
何かが間違っている気がしている。そもそも仕事の探し方がおかしいのか、社会がおかしいのか、段々わからなくなっている。決して戻りたくない仕事でなければ、私には居場所などないような気にもなる。戻りたくない仕事ですら不要のレッテルを張られる可能性は大なのに、もし即戦力になれると回答を得たとしても、それは私の人生にとって幸せには繋がらない。
もうかれこれ四年以上、仕事の情報を集めている。年ばかりは順調に重ねるから、目に付く求人を見つけても、年齢制限の壁に阻まれることが稀ではなくなってきた。
就職氷河期世代向け求人には、毎度目を疑う。給料は、時給換算しても最低賃金に満たない。年間休日数は週休一日に尾ひれを付けた程度。殺したいのか?と思う。