12月21日
ハローワークへ赴く。面接を辞退した日に、気になる求人が見付かったからだ。
とはいっても、希望している正社員ではない。僅か数ヶ月の有期雇用。クリアしているのは給料と休日、希望業界で、希望の通勤圏内だということ。最優先事項である〝生涯雇用〟だけが足りないが、勤務開始日が来月の後半なので、運良く採用されたとしても、まだ正社員の仕事を探し続ける猶予はある。求人票を元に、疑問点を確認してもらったら、こちらにとって悪い条件ではないこともわかった。例え短期でも、何かして収入を得なければ本当に辛い。アルバイト採用ではないが、正社員として働くまでの繋ぎのアルバイトのつもりで応募したら、既に同世代が二人、応募しているということが判明した。面接は一週間後。準備に余裕もあり、その一週間、検索を続けることも出来る。インターネットが繋がらなくなったパソコンの代わりが、明日には届くことになったので、滞っていた物事をほんの少しずつでも動かすことが出来そうだ。
先週行った時間と同じく昼前だったが、ハローワークは前回より込んでいた。月曜日は割合新しい求人が少ないのだが、週末に目を付けた求人票に対する反応が、土日を経て顕著に表れるのかも知れなかった。
受付でついでに、〝就職氷河期世代支援〟について質問したら、そちらの窓口で対応してもらえることになった。具体的にどのような支援が受けられるのか、知っておこうと思ったのだ。
待っている間、【就職氷河期世代対象求人】と表題されたピンクのファイルを手に取ってみる。職種別に、美しくファイリングされたそれを捲っているうちに、すっかり気分が悪くなってしまった。給料が良いと思ったら、休みがあまりにも少ない。給料が学生のアルバイト以下だと思ったものですら、休みが充分とは言えなかった。物流、警備、介護にタクシー乗務員。土木関係の肉体労働など、職種は一見様々だが、一般求人との傾向の大きな差に愕然とした。当配されている仕事群に興味があり、天職にしたい人には良い。しかしどんな広い目で見ても、大勢多勢が喜んで就きたいと思う種類の職種に溢れているとは感じられなかった。人が避けたくなるような体力を要する仕事の数々が、気力も体力も溢れている若者ではなく、老齢に差し掛かり、負担が体調に表れやすくなる中堅世代に宛がわれている。就業機会の差別を感じた。
この世は誰のための世の中なのだろう…。うまく波に乗れた者もいただろうが、そうでない者が溢れて社会問題にまで発展しているのに、全く以て口ばかりだと感じる。コロナでそれどころでないのだと言われればぐうの音も出ないが、それ以前から何かがおかしいと感じてはいた。結局何も変わっていない。今後変わる予測も付かない。自ら命を絶つ同世代が増えることに危機感を持っても、変わる展望すら見えない社会に、悲観的になるなという方が無理な話だと思った。
呼ばれて、当該窓口について質問する。職員は丁寧に説明してくれたが、勧められた支援策も、グループワークも、有効性がピンとこなかった。支援を受ける側として、私は相応しくない微妙な職歴なのかも知れず、自分ではあまりにも大変さを感じているにも関わらず、社会問題化の一端を担っている対象というのは、私以上に重い荷物を背負っているのかも知れなかった。
現段階でわかったのは、〝就職氷河期世代支援〟というものの有効性が、私には無いようだということ。引き続き孤独に、地道な職探しを続けるしかないようである。