4月13日
二件目の面接に行った。近隣の事務職は夢でもある。平平凡凡に生きたい。天職を諦めて以降、ずっと思ってきたことだ。
ネックなのは、拘束時間が長いこと。そして、採用から三ヶ月は日給のアルバイト状態で、求人票に示されている給与より5万も少ないということ。しかし行く末は生活圏内の正社員なので、風の時代には不似合いな、変化を嫌う生き方が出来るはずだと応募した。
事前のメール対応は頗る良かった。親切丁寧で、実際、お会いした当人も、終始にこやかで聖母のようだ。もう一人の男性面接官と共に、特に難しい話はせず、仕事内容や職場環境、雇用の詳細について説明を受けた。質問された内容も、別段特別なものはなかったが、よくある「自分はどんな性格か?」という質問に対し、戸惑ってしまった。この手の質問、とても久しぶりだったのだ。
また、説明の際に見せられた求人票には、【オンライン自主応募不可】とはっきり記されていた。私はオンラインから自主応募し、ハローワークは求人票をネットから見ただけで、紹介状を発行してもらいにさえ行かなかった。
書類選考があったうえでの面接…のはずだったのに、面接者も紹介状が同封されていないことに気付いていなかったようだ。
結果まで一週間ほどかかるらしいが、面接が終わったことにだけホッとしている自分がいる。
昼休憩は、近いなら自宅へ帰っても良いらしい。
男性社会で、男女同権が遅れており、掃除は女性事務員の仕事らしい。
トイレは男女共用で、昭和の和式。トイレ掃除も勿論、女の仕事だ。
日給の試用期間は、健康保険も自費負担になる。
面接を受けた事務所では、他の社員が黙々と仕事をしていた。面接中だからかどうなのかはわからないが、誰ひとり一言も発しない。静かすぎる職場に震える。
女性事務員、制服だった。チェックのベストに黒のタイトスカート。いかにも…な感じではあるが、あれを着て仕事をしている自分が想像出来ない。冬なんて凍死する。
給料も賞与も安いが、勤務時間や有給休暇はきっちりしているようで、残業もほぼないらしい。
二件受けたが、自分が働く場所に、出会えた気がしない。どちらも心証は良かったのに、何故だろう…と思ったら、やはり自分に沢山の嘘をついているからだと自覚せずにはいられなくなる。しかし、自分に嘘をつかずに仕事を探そうと思ったら、私はいつまで無職でいなければいけないのかわからなくなる。
二度目に行った、占い師の言葉が蘇る。
「ひとつは、自分がやりたいと思っているけど、相手からはいらんと思われて、結局続かない。もうひとつは、自分が望んでる報酬より大分下げられる。続けるにしても、結局は自分の気持ち次第。」
当たりませんように…と切に願う。