木下半太 小説「ビデオショップ・カリフォルニア」3
第3話 ビデオショップ・カリフォルニア
一週間後、デグから電話があった。
『リュウ。バイトみつけたぞ』
「おう。よかったな」
『お前の仕事場やで』
「はあ?」おれはリモコンでエロビデオの音量を下げた。
『ファミマをクビになったんはオレのせいやからな』
デグは変なところで責任感がある。
「職種は?」
『レンタルビデオ屋』
「マジ?」テレビの画面では、島袋浩がOLの胸を揉んでいる。「……なんて店?」
『ビデオショップ・カリフォルニア』
《カリフォルニア》はJR摂津富田駅