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第10章:訴状を裁判所に提出

訴状の完成

訴状は、私たちの主張を余すことなく詰め込んだ内容となった。

まず、私が出版した著作物の価値とその独自性が明確に記されている。

「A4」1枚アンケートの手法は、ただの販売促進アイデアではない。これまでに18回もの増刷を重ねるほど支持された、業界において確固たる地位を築いたノウハウである。

その知見が、出典の明記すらされずに無断利用されることがどれほど重大な問題であるかを、訴状の冒頭で強調した。

さらに、船井総合研究所が掲載した問題の記事と私の書籍の内容を詳細に比較する「別紙対比表」を用意した。これにより、両者がほぼ同一のものであることを視覚的に示した。表現にわずかな違いが見られるとしても、それは本質を隠蔽するための修飾に過ぎないことを明確にした。

そして、謝罪広告の掲載を求めた理由についても、慎重に言葉を選んで説明した。この訴訟の目的は金銭ではなく、著作物の正当性と、私自身の名誉を守ることにある。たとえ相手がどれほどの大企業であろうと、創作者の権利を軽んじることが許されてはならない。それを社会に訴えるためにも、謝罪広告が必要だと考えた。

裁判所への提出

訴状の提出は弁護士を通じて行われた。一見するとただの紙束であるが、その中には私がこれまで注ぎ込んできた努力や信念が凝縮されている。弁護士は書類を裁判所へ提出する際にこう述べた。

「これで準備は整いました。ここからは裁判所での闘いになります。」

弁護士の言葉に、私は静かに頷いた。

提出後の決意

訴状を提出をした後、私は責任の重さを感じずにはいられなかった。私の行動は、他のクリエイターたちにも影響を与える。もしこれで著作物と認められないとなれば、「大企業には勝てない」という諦めを広めてしまうかもしれない。逆に勝てば、他の著者が自分の著作物の権利を守る勇気を持つきっかけとなるだろう。

「これで終わりじゃない。これが始まりだ。」

心の中で自分に言い聞かせ、私は新たな闘いに向けて気持ちを引き締めた。正義を貫くために、この戦いを最後までやり抜く覚悟が、私の胸に静かに宿っていた。

※ご注意:記憶を頼りに書いておりますので、内容が変更される可能性があります。ご了承ください。

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