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第21章:創作性に関する補充主張書面作成

裁判所の指定した期日が近づく中、我々は確固たる証拠と論理で相手の主張を覆すべく、準備を進めていた。船井総合研究所側が提出した「第5準備書面」は、これまでと同様に核心を避け、問題の本質を意図的にすり替えるものであった。

船井総合研究所側は、原告の著作物を「アイデア」に過ぎず、著作権で保護される「表現」ではないと主張した。さらに、「A4」1枚アンケートの手法自体が一般的であり、原告の書籍が独自のものではないと否認していた。しかし、その論理は明らかに破綻していた。

まず、著作権は単なるアイデアではなく、それがどのように表現されているかに対して認められるものである。本件では、私の著作物は単なるマーケティングの枠組みを示したものではなく、具体的な広告制作の手法としての表現があり、読者がそのまま活用できる形で記述されている。船井総合研究所が主張するように、私の手法が「一般的」であったとするならば、その証拠は私の書籍が出版される以前に存在していなければならない。しかし、船井総合研究所が提出した資料はすべて、私の書籍が出版された後のものであり、それ自体が「A4」1枚アンケートの影響を受けていることを示していた。

さらに、船井総合研究所が提出した証拠は、私の書籍を参考にしたと認める企業の資料であり、我々が問い合わせた結果、実際に「A4」1枚アンケートの本、またはセミナーに参加して知った事が確認された。この点は決定的であり、船井総合研究所の主張が自己矛盾に満ちていることを示していた。

裁判所も、この点について注目しており、基準時(私の書籍が出版された平成21年当時)において、当該表現が既に流通していたかどうかが争点となった。船井総合研究所側の主張は、インターネット上に類似の表現があることを根拠にしていたが、それはすべて私の書籍が出版された後のものであった。つまり、私の書籍が普及した結果として広まったものに過ぎず、それをもって「ありふれた表現」とするのは全くの詭弁であった。

我々は、第5準備書面において、船井総合研究所の主張の根拠がいかに薄弱であるかを徹底的に論破した。私の書籍の「本質的特徴」は、単なるアンケートの枠組みではなく、「アンケートの組み換えによって自然な広告原案が作成できる」という具体的な表現方法にある。これは単なるマーケティング手法の概念ではなく、具体的な文言とともに記述されており、明確に「表現」としての独自性を有するものであった。

この論点を裁判所がどのように評価するかは次回の審理で明らかになるが、ここまでの経緯を見れば、我々の主張が圧倒的に正当であることは明らかだった。我々は、第5準備書面を提出し、次回の期日に向けてさらなる証拠の整理と論点の強化を進めることを決意した。


※ご注意:記憶を頼りに書いておりますので、内容が変更される可能性があります。ご了承ください。

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