【阪神】ドラフトから予測する来季の展望(投手編#1)

2024年プロ野球ドラフト会議が10/24(木)に行われました。
大方の予想通り、一巡目の指名は3月の欧州代表との強化試合にも召集された大学生4人(金丸、宗山、中村、西川)に集中しました。

阪神タイガースは金丸投手を指名したものの4球団競合の末くじを外し、同じく左の伊原陵人投手(NTT西日本)を外れ1位で指名する結果となりました。個人的には阪神の好きそうな選手だな~と思いながら見ていたので、納得の指名です。

今回はドラフトの結果を踏まえ、来季の投手起用について考えていきたいと思います。

まずは年齢別の投手層を見ていきます。

【阪神】投手年齢分布
※年齢は2025シーズン開幕時
※カッコつきは育成契約、赤字は2024ドラフト指名選手

2位では2年ぶりの高校生となる今朝丸裕喜投手(報徳学園)、3位では木下里都投手(KMGホールディングス)を指名し、育成の工藤泰成投手(徳島インディゴソックス)、早川太貴投手(くふうハヤテ)を含めて5選手をドラフトで指名しました。

阪神はもともと23~27歳あたりに主力が多いチームですが、育成を含めて20代中盤の層がさらに厚くなりました。特に伊原投手、木下投手の2選手は即戦力として期待できる選手です。個人的には改めて見ると、ドラフトで指名された育成選手がいずれも大卒以上の年齢であるところが阪神の特色が表れているなと思いました。嶌村球団本部長が以前インタビューでアマチュア球界を大事にしていて、高校生は支配下で指名する方針だとおっしゃっていましたが、今後もぜひ貫いてほしいところです。

少し話がずれましたが、本題の投手展望に入っていきたいと思います。
ある程度来季の一軍登板がありそうな選手について、役割ごとに表にまとめてみました。

来季の投手起用展望

先発に関しては、順当にいけば以下の選手たちを中心にローテーションを回すことになるでしょう。
 才木    25試 167.2回 1.83 13勝*3敗 137K
 村上    25試 153.2回 2.58 *7勝11敗 130K
 大竹    24試 144.2回 2.80 11勝*7敗 *91K
 西勇    21試 124.2回 2.24 *6勝*7敗 *71K
 ビーズリー 14試 *76.2回 2.47 *8勝*3敗 *75K
 髙橋    *5試 *29.2回 1.52 *4勝*1敗 *28K

今シーズンは主に伊藤将司投手や青柳晃洋投手の調子が上がらなかったことや、昨年度と比べると村上頌樹投手の勝ち星が伸びなかったことで近年では珍しく先発投手が安定しなかった印象があったと思いますが、一方では才木浩人投手の躍進やビーズリー投手の活躍、また髙橋遥人投手の復活など、昨シーズンからの成長も多く見られるシーズンとなりました。前半戦で投げすぎたからか、シーズン終盤にかけて才木投手の調子が落ちたことは気になりますが、間違いなく2025開幕投手候補の筆頭といえるでしょう。

上記の6投手に加えて、ローテ5~6番手を争うのが以下の選手たちだと思われます。
 伊藤将 18試 *74.0回 4.62 4勝5敗 33K
 青柳  12試 *61.0回 3.69 2勝3敗 35K
 伊原  新入団
 門別  *5試 *12.0回 4.50 0勝2敗 *8K
     15試 *77.1回 3.96 4勝5敗 52K(二軍)
 茨木  22試 118.2回 3.64 7勝4敗 74K(二軍)

今シーズンの伊藤将司投手は疲労の影響か平均球速が低下した印象で、被打率.226.304)、奪三振率5.584.01)、与四球率1.291.95)がいずれも前年から大きく悪化してしまいました。昨年までの3年間は安定した成績を残していたので、球速が戻れば昨年までの姿が見られるのではないでしょうか。

青柳投手は初めて規定到達した2019年以降ではワーストとなる2勝で今シーズンを終えてしまいました。投手3冠(最優秀防御率、最多勝、最高勝率)を獲得した2022年と比較して、被打率.215.286)、奪三振率7.325.16)、与四球率1.773.10)がいずれも大きく悪化しています。藤川新監督となり、金村投手コーチも戻ってくるので今年こそは復活を期待したいですね。

新入団の伊原投手は、藤川新監督が先発起用で考えているとの発言をされていました。ドラフト1位を最初からリリーフに回すのはもったいないと思いますので、先発起用を応援したいです。最速149km/hの力強い直球とカットボールが得意な左投手で、タイプ的には桐敷拓馬投手に似ている印象を受けました。村上投手のフォークを習得したいという本人の発言もありましたが、落ちる球を磨いて右打者から三振を取れる投手になればエース級の活躍も見込めるのではないでしょうか。

若手で期待したいのはやはり門別啓人投手と茨木秀俊投手でしょう。門別投手は今季2回先発したものの、3回6失点(自責4)と5回2失点でプロ初勝利をあげることはできませんでした。ただ中継ぎでは3試合すべて無失点と持っているポテンシャルの高さは見せてくれましたし、来シーズンは5~10試合程度先発するのではないかと思っています。茨木投手は一軍での登板こそまだないものの、二軍では100イニング以上を投げるなど順調に進んでいます。二軍での奪三振率5.61、与四球率3.79とまだまだ成長の余地はありますが、プロ初登板を楽しみにしたいですね。

少し長くなってきましたので、本記事はここで終わりにしたいと思います。次の記事では、リリーフについて見ていきます。

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