有本香氏とウィンウィン
冒頭画像の出所は本文を参照の事
加筆予定あり
2019年に実在の証拠
『日本国紀』の編集を担当した有本香氏は、株式会社ウィンウィン代表取締役とされる。しかし同社の公式サイトが見当たらず、憶測を呼んでいた。それこそ実在すら怪しむ声もあった。
私も調べてみたのだが、同名の会社は幾つもあり、しかも活動の見えない所が多い。
登記情報には代表の名が載っている。それを見れば有本香氏の会社かどうか判るだろう。しかし費用が掛かる。当てずっぽうで外れを引きたくない。
住所や創業時期などで見当を付けたものの、決め手がないものかと先に延ばしていた。それが見つかった。
2019年10月31日付で、政経懇談会講演料が支払われている。有本氏から見れば報酬を得た訳だ。
出席者の感想を見付けた。『田村 たくみのブログ』から。
9月26日付。決済の都合で翌月末に支払ったのだろうか。
有本氏の講演も取り上げており、写真もある。
演題「ワイドショー政治が日本を滅ぼす」に「小池劇場」を絡めている。風貌と併せ、同名の別人ではなく本人だ。
全日本不動産政治連盟の広報誌にも、この講演が載っている。
日政連ニュース新年号: 2020年1月15日付
最後の4頁、9月26日の催しの第2部で、有本氏が「約90分間の熱弁」との事。
収支報告書に拠れば、消費税を抜いて35万円弱、といったところか。相場を知らないので、何とも言えない。
なお2021年6月28日に、江東区永代から千代田区大手町の東京サンケイビルに移っている。
株式会社ウィンウィンの情報: 国税庁法人番号公表サイト
2ヶ所を引用する。
権力の中枢に近付いた様ではあるが、レンタル / バーチャルオフィスのある所だ。
しかし産経の響きは、有本氏の好みに合うだろうか。
ついでだが、皇室誹謗サイト『菊ノ紋ニュース』が初めに主張していた場所だ。
菊ノ紋ニュース、2019年10月9日の状態
詐欺サイトの自己主張なので信じるに値しないが。Media Create Co. なる組織は登記されておらず、尚更の事。
いづれにせよ、関係は不明。
ウィンウィンのサイトが紹介される
有本氏が『All About』に登場。雑誌編集プロダクション「ウィンウィン」のウェブサイトも紹介されていた。
2003年6月27日付
冒頭から引用。途中を略した。
下線付き部分は実際は青字。リンクの文字列は、http://www.winwin-japan.com、となっている。
2頁目。本文末にURLを載せている。
踏むと「株式会社WinWin」のサイトに飛ぶ。1頁目の青文字でも同様。
株式会社WinWinは食を中心とした介護の会社であり、「雑誌編集プロダクション」の気配が無くて戸惑う。業種を変えたのだろうか。
しかし代表の名が異なる。設立は2017年であり、All Aboutに載った2003年には未だ出来ていない。
ドメイン名たる、winwin-japan.com、のwhois情報を調べてみた。
Creation Date: 2017-03-18T04:00:09Z
2017年に登録しており、会社設立の時期とも合う。
ならば2003年当時は、winwin-japan.comは使われておらず、架空のURLを載せたのか。
そうとは限らない。廃止を経て、改めて立てる事も出来る。登録年月日は、新たに出来た時点となる。
履歴を調べ、結果の一部を抜き出して並べた。
March 2017 New
(略)
April 2008 Deleted
March 2002 New
2002年3月に登録され、2008年4月に廃止。
2003年を挟むので、有本氏のウィンウィンによるのだろう。
その後の略した期間に、何度も新規と廃止を繰り返している。ドメイン屋が立てたものの利用されず、廃されたのだろうか。
廃されてから、同じ文字列で同じ者が新規で立てる事は出来る。しかし使い続けたいのなら、単に更新すればよい。まず別人であり無関係としたものだ。
そして2017年3月に改めて立てられ、今に及ぶ。社名と合うので介護事業の株式会社WinWinが選んだのだろう。
編集プロダクション時代のウェブサイト
アーカイブが残っており、かるみん@karumin氏が2019年8月には気付いていた。
2007年12月の状態を画像化して紹介している。
代表者として、有本香の名があり、出版物の制作会社として創業、とある。
社名は「有限会社ウィンウィン」だった。所在は千葉県浦安市、設立は2002年5月12日。
URLの窓を見ると、http://www.winwin-japan.com/profile.html、とある。
All Aboutに載った文字列と同じだ。やはり、2003年当時は有本氏の会社のサイトとして紹介され、その後の廃止と新規登録を経て、別の会社のサイトが出る様になってしまったのだろう。
それぞれの頁の最古のアーカイブを見てみよう。
ウィンウィン: 2003年6月26日(表示は25日)の状態
トップ画面で、All Aboutに載った前日に当たる。
簡素な出来だが、当時の通信環境などを考えると、これ位が良かったのかも知れない。アーカイブ化で抜けた要素もある。
実はサイト名が判らない。左上の画像に記したのだと思うが、残らなかった。All Aboutでの表記「ウィンウィン」にしておく。
社名の由来や、企業理念を大きく載せており、創業から1年後の意気込みが伝わって来る。
有本氏の著作の「好評発売中!」、台湾茶満喫ツアーの「参加者募集中!」を特に記している。
当時の目玉事業なのだろう。
* * * * *
最新情報/トピックス: 2003年6月25日の状態
トップでの「好評発売中」からも、ここに飛ぶ。
『中国茶 香りの万華鏡』の紹介。以下、「香りの万華鏡」とする。
All Aboutの記事でも取り上げられた有本氏の初著作だ。
実物を図書館で手に取った。小学館文庫だ。
「あとがきにかえて」に続き、感想などをこちらへお寄せください、として、All Aboutと同じURLが載っている。
Edited by WinWin Inc. とあり、編集業務の証拠といえる。
発行日は2003年4月1日で、All Aboutの3月6日とは異なる。
事情は不明だが、東京近郊などでは4月1日よりも早く買えたのかも知れない。
通して読んでいないが、金美齢氏の名も出ていた。
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茶葉博覧会と凍頂烏龍茶満喫の旅4日間: 2003年8月3日の状態
トップでの「参加者募集中」からも、ここに飛ぶ。
日程は4月13~16日。年を書いていないのだが、日付と曜日の関係から2003年と判る。
幾つか抜き出す。
金氏といえば「保守」論客だ。初期の有本氏とウィンウィン社は政治色のない茶の本ばかり出していたのだが、創立から1年目に仕事で「保守」と組んでいた訳だ。恩義に感じただろうか。
ウィンウィン社の「企画会社」というのも具体的な分野など見当が付かなかったが、旅行の企画を行っていた。
旅行雑誌の編集を手掛けた有本氏にとっては手慣れた分野だろう。
電話番号が載っている。市外局番047は、千葉県市川、船橋あたりで使われる。悪戯で架けないように。
さて、実施されたのだろうか。参加者の声などは見当たらない。
「金美齢氏もツアーに同行します」とあるので、そちらを見てみよう。
「イベント」の頁。2003年4月は何も無い。
2か月余り前に、同様の催しが行われている。
「紀行ライター・有本香」なる者が解説する場面の写真もある。
この模様は、小学館『女性セブン/2003年2月27日号』に載ったとの事。
「日台交流サロン・シリーズイベント」の第1回であり、最下を見ると第6回までの予定が載っている。
第2回は4月下旬を予定し、凍頂山周辺とある。
ウィンウィンのサイトでも、凍頂烏龍茶満喫の旅として募っている。
冒頭から引用する。
こちらは4月中旬の予定だが、同じ催しだろう。
呼び水として小学館から、香りの万華鏡を出した上で募ったのか。
しかし、金氏のサイトでも第2回以降の記録は見当たらない。中止だろうか。当時、台湾ではSARS(重症急性呼吸器症候群)が流行しており、その影響かも知れない。だとしたら不運だった。とはいえ翌年以降も「シリーズイベント」は行われなかった様だ。
予定の仕事が消えてしまった有本氏は露出を図り、All Aboutの取材を受けたのだろうか。第3回の予定だった、文山包種茶についても語っている。
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会社概要: 2003年8月3日の状態
先のツイッターに貼られた、2007年12月時点の画像化とは多少、異なる。
前書きが無い。
WINWIN INC. の英語表記は、香りの万華鏡と同じ。設立日は無い。
有限会社、浦安市、代表に有本 義之、香の両名、資本金300万円、は同じ。
事業内容も、概ね同じと言ってよい。
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Shop: 2003年8月3日の状態
茶葉でも売る気だったのだろうか。
Mail、は上手く機能しない。しかしURLの右端でアドレスが判る。
Link、はリンク機能が無い。
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いつからサイトが始まったのか。ソース表示を見たが、投稿日時は見当たらない。
ドメイン名の登録が2002年3月だが、会社が出来たのは5月。
香りの万華鏡が2003年春に出るまでは実績も乏しいだろう。
shopは準備中、間もなくオープン、のまま。何より2003年4月の旅の募集を2005年2月まで載せたまま放置。他の頁も同様に変化が見えない。
想像になるが、ツアー第2回の募集にあたり、香りの万華鏡を出した頃に始めたのではないだろうか。
どうやら中止となってからの放置ぶりが印象的で、サイト運営の熱意に乏しい。金氏のツアーに関わるまではサイトを作っていなかった様に思える。
2月の第1回に有本氏が加わっており、サイトを作って募っていた可能性もないではない。
しかし当時から出来ていたのなら、有本氏や参加者の体験談でも載せるのではないか。第2回の呼び水となる。
All Aboutでは、有本氏の企画編集として『中国茶 50銘茶と楽しみ方』も載せている。図書館で見た実物の奥付には、有限会社ウィンウィンの編集制作とある。
成美堂出版から2002年9月に出ており、初期の貴重な実績だろう。しかしサイトに載せていない。
香りの万華鏡を出した2003年春まで、サイトが出来ていなかったからではないだろうか。
アーカイブは2005年2月から暫く途絶える。2006年は残っていない。
次は2007年、といっても12月。その状態は先の、かるみん氏のツイッターでも紹介された。内容に変化が見られるので、改めて取り上げたい。
そして2008年春までに廃止。