宅建士試験で40点取って合格するための最も簡単な方法はこのライトノベル小説を読むことです 権利関係編1-14

「じゃあ。早速、伯父さんに連絡して、条件付の所有権移転仮登記をしてもらおうよ。登記原因を「年月日贈与(条件 宅建士合格)」ってすればいいんだろ? 」
 建太郎が立ち上がろうとすると、胡桃は、とっさに建太郎のネクタイを掴んだ。その様はまるで、犬の首輪を引っ張る飼い主といったところか。
「く、苦しい! く、首が締まるだろ! 」
「宅建士合格なんて言う条件で仮登記をすることを法務局が認めるわけないでしょ! 仮登記に手間をかける暇があったら、さっさと宅建士試験に合格しなさい! 」
「わ、分かったから、離してくれ……! 」
 建太郎はギュッとしまったネクタイを解くと呼吸を整えた。「まじで死ぬかと思ったよ。可愛い顔しているくせにおっかねえ女だ」と悪態をつく。胡桃が「何か言った? 」と、じろりと睨み付けてきた。
「なんでもないよ。胡桃は可愛いと言ったんだよ」
「ホントかしら? とにかく、次、行くわよ。この条文の意味は? 」
 
民法
(条件の成就の妨害等)
第百三十条 条件が成就することによって不利益を受ける当事者が故意にその条件の成就を妨げたときは、相手方は、その条件が成就したものとみなすことができる。
2 条件が成就することによって利益を受ける当事者が不正にその条件を成就させたときは、相手方は、その条件が成就しなかったものとみなすことができる。
 
「1項は、要するに、伯父さんが、俺が宅建士試験の勉強をするのを邪魔したり、試験を受けられないように妨害したりしたら、条件が成就したものとみなすことができるってことだよな」
「そういうことになるわね。じゃあ、2項はどうかしら? 」
「条件が成就することによって利益を受ける当事者、つまり、俺が、不正に宅建に合格した時は、伯父さんは、条件が成就しなかったものとみなすことができる。ということか」
「そうよ。当然の話だわね。じゃあ、次の条文は? 」
 
民法
(既成条件)
第百三十一条 条件が法律行為の時に既に成就していた場合において、その条件が停止条件であるときはその法律行為は無条件とし、その条件が解除条件であるときはその法律行為は無効とする。
2 条件が成就しないことが法律行為の時に既に確定していた場合において、その条件が停止条件であるときはその法律行為は無効とし、その条件が解除条件であるときはその法律行為は無条件とする。
 
「これは簡単だ。1項はこういうことだろ。俺が宅建士試験に合格したら、不動産を贈与してもらえるという停止条件の場合。伯父さんがそう言った時に、既に俺が宅建士試験に合格していれば、無条件で不動産を贈与してもらえるってことだよな? 」
「そうね。じゃあ、解除条件の場合はどうなるの? 」
「俺が宅建士試験に合格しなかったら、不動産の贈与契約は効力を失う。って解除条件の場合で、俺が既に宅建士試験に合格していれば、その契約は無効ってこと……? 」

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